【産業天気図・空運】国際線中心に好採算の業務渡航が総崩れ、燃料高一服効果も来期以降で、「雨」模様続く

予想天気
  09年4月~9月   09年10月~10年3月

航空業界は2009年度前半、後半ともに「雨」模様が続く見通しだ。金融危機を受けて昨秋から需要が急速に縮んでおり、今期後半にやや回復しても戻りが鈍く、本格回復までにはなお時間がかかりそうだ。

足元で特に2ケタ減と大きく落ち込んでいるのが国際線だ。個人客は燃油サーチャージがゼロになる影響で夏以降の回復が見込まれるものの、景気悪化で海外出張を控える企業が増加した影響で高単価のファースト、ビジネスクラスが売れ残り、一段と採算悪化する見通しだ。

国内線も軟調が続く見通しだ。今期は不採算路線の撤退・縮小を過去最大規模に実施するが、需給バランスはいまだ改善していない模様。国際線に比べて減少幅は小さいが、これまで下支えしてきた団体客の動きも鈍くなっているほか、新幹線などとの競争も激しく、客足が落ち始めている。さらに、ここ数年間で矢継ぎ早に値上げしてきた経緯もあり、これ以上の値上げには限定的にならざるを得ない見通しだ。

こうした状況下、日本航空も全日本空輸も業績悪化が続く見通し。ただ、景気感応度が大きい国際線比率が高く、燃費の悪いジャンボ機を多く抱える日航の方が一段と厳しい状況に置かれている。新型インフルエンザの影響も不透明で今後予断を許さない。固定費削減は両社とも過去最大規模を公約に、全社一丸となって圧縮する公算だが、収入減少インパクトがそれをも上回る。さらに、全日空は機材売却益が剥落し、日航はジャンボの退役が増えて処分損が拡大する公算のため、両社とも最終赤字は回避できない見通しだ。

最大の利益圧迫要因である燃料費は大幅に下がる見通しだが、ヘッジによる高値在庫が残るため、最近の燃料安を最大限に享受できるのは来11期3月期以降。逆に燃油サーチャージが先行して引き下げられたため、そのギャップが収益の押し下げ要因として効いてくる。ただ、来期以降は燃料ヘッジロスが減るため、同じ売上規模でも利益が大きく改善するのは必至。2010年の羽田、成田両空港拡張を機に再浮上を狙う。

(冨岡 耕)

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