GM破綻でトヨタも戦々恐々、重み増す米政府の意向

GM破綻で、日本企業はどんな影響を受けるのか。まず直接関係するのは、取引している部品会社(サプライヤー)である。

日本勢でGMグループと取引関係があるのは100社超。保有する売掛債権の額は、トヨタ自動車系でいえば、デンソーで28億円、アイシン精機で19億円、ジェイテクトで11億円程度となっている。

ここ数年、欧米の自動車メーカーとの取引を拡大してきたデンソーは、前期売上高のうち非トヨタ向けが51%にも達した。このうちGM向けは1009億円で、脱トヨタが裏目に出た格好だが、経営危機が表面化してから早い段階で、「余分な在庫を持たずに圧縮してきた」(加藤宣明社長)。回収した資金は下請けの外注先にも回し、細心の注意を払っているようだ。

トヨタ系に限らず、大手サプライヤーはいずれも規模に比べて債権の額が小さい。米政府が準備した債権保証制度にも申請済みで、未回収分が業績修正を伴うまでに至らないとみられる。ただ米政府はGMと直接取引があって、現地生産する会社の保証を優先する方針。日本の中小企業が保有する債権が焦げ付く公算は否定できない。

日米協調のシンボル

GMの帰趨を凝視しているのは日本の自動車メーカーも同様。米国ではGMと競合する一方、合弁を通じ協業関係にあるからだ。スズキはカナダで、いすゞ自動車は米国などで、GMと合弁工場を運営している(スズキは716億円の債権等も保有)。

「NUMMIはいったいどうなるのか」--。日米自動車摩擦の教訓から、トヨタがGMと1984年に設立した合弁会社NUMMI。長く日米協調のシンボルを果たしてきたものの、GMが資金繰りに窮した昨年末頃、ついにNUMMIを手放すとのうわさが業界を駆け巡った。

結果として、GMが2日に発表した14工場の閉鎖・休止のリストにNUMMIは含まれなかった。が、将来の会社形態や事業の中身については、まだ流動的要素も残る。

NUMMIで製造するのは、GMの「ポンティアック・バイブ」とトヨタの「カローラ」「タコマ」だが、ポンティアックは2010年廃止が決まった。「従来と違う車種を扱うのは難しい」(トヨタ幹部)状況下、稼働を維持するためにトヨタ車のみを生産する可能性もある。トヨタが米政府の要請でNUMMI株を引き取り、単独出資となるシナリオもゼロではない。

縮小したとはいえ、世界最大の米国市場の重みを無視できない日本企業。国有化されたGMとの距離感を測りかねており、これまで以上に米政府の意向に神経をとがらすことになりそうだ。

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