最高益のトヨタに"下振れ懸念"が潜んでいる

販売台数は1000万台到達後に足踏み

2015年12月に日本で販売された「4代目プリウス」は発売1カ月で販売目標の8倍超となる10万台の受注を集めた(撮影:尾形文繁)

利益の絶対水準の高さを評価すべきか、それとも伸び悩みを問題視すべきか――。トヨタ自動車の決算内容は、2つの評価軸がある。

2月5日に発表した第3四半期決算(2015年4~12月期)は、「下方修正」をする企業が相次ぐ環境下にあって好調そのもの。売上高は21兆4313億円(前年同期比6.5%増)、営業利益は2兆3056億円(同9.0%増)、純利益は1兆8860億円(9.2%増)で着地した。

売上高、各利益とも第3四半期として過去最高。同時に明らかにした2016年3月期通期の業績予想は、純益を従来予想から200億円増額となる2兆2700億円(前期比4.4%)に上方修正した。

主要地域で販売台数が減少

9カ月間のグループ販売台数は前年同期比24.7万台減の649.3万台。日本、欧州、東南アジアなど、ほとんどの主要地域で販売台数を落とした。だが、好採算の大型車が活況な北米での販売増に円安効果も加わり、営業増益を確保。さらに、合弁会社の中国の好調による持分法投資利益の拡大や、法人税の減税が純益を押し上げている。

とはいえ、もろ手を挙げて喜べる状況ではない。第3四半期のみ(2015年10~12月)で見ると、前年同期から5%の営業減益となった。四半期ベースでの営業減益は、実に2014年1~3月期以来のことだ。

10~12月は連結販売台数(持分の中国などを除く)が4.8万台減となり、為替変動による利益押し上げ効果もわずか50億円にとどまった。対米ドルでは円安メリットを得たものの、ユーロやその他通貨の変動によるマイナスがほぼ打ち消してしまった。トヨタ得意の原価改善で950億円をひねり出したが、販売減、労務費や研究開発費、減価償却費増といった減益要因をカバーできなかった。

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