速報!難関中学に合格者を多く出した有力塾 サピックス一人勝ちの理由とは?

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サピックスと鉄緑会。東大合格を目指すうえで、この2塾は絶対に外せない

速報!今年も「サピックス1強」変わらず

開成225名、麻布172名、桜蔭158名、女子学院119名――。2016年2月5日夕刻時点でサピックス小学部が発表している中学受験の合格実績である。今年も多くの最難関中学の合格実績において、日能研や四谷大塚、早稲田アカデミーなどの2位以下をほぼダブルスコアで引き離している。関西には進出して間もないが、灘の合格者も26名と、昨年の15名から約1.5倍の躍進を遂げている。

中学受験大手4塾の合格実績(速報値・人)
サピックス 日能研 四谷大塚 早稲田アカデミー
開成 225 48 82 74
麻布 172 68 57 52
武蔵 42 44 45 56
駒東 164 47 40 25
海城 223 83 110 67
桜蔭 158 34 58 47
女子学院 119 67 83 52
雙葉 52 22 35 30
渋幕 377 161 166 140
渋渋 200 62 91 56
2016年2月5日18時現在各塾のホームページ上での数値

 

難関校にバンバン入れると聞くと、スパルタ教育的なものを想像する人もいるかもしれないが、それは違う。サピックスの授業では、知識の詰め込みではなく、知識を素早くなめらかに使いこなす方法を教えている。

たとえば算数では、安易に公式を当てはめるような教え方はしない。簡単な問題で原理原則に気づかせたうえで類題演習をくり返し、徐々に問題のレベルを上げ、複雑な問題の中にも同じ原理原則が活用できることを体感させる。

「アクティブ・ラーニング」を先取り

野球に例えれば、まずバットを振るときに必要な基本的な筋肉の使い方を教え、あとはいろいろな球種の球を実際に打たせてみることで、どんな状況に際しても反射的になめらかに筋肉が動かせるようになるまで訓練するようなものだ。

また、国語や理科や社会の授業では、生徒たちの生活に根ざした身近な話題を呼び水にして生徒たちの興味を惹きつけ、双方向的に対話をしながら、要点を板書にまとめていく討論型の授業を行っている。

講師も生徒も授業中は常に頭の中がフル回転。1コマ90分にもおよぶ授業も、集中しているとあっという間に過ぎてしまう。

現在文部科学省は、教員が生徒に一方的に講義を行う「レクチャー型」の授業に対する新しい授業形態として、生徒たちの主体的な活動を伴う「アクティブ・ラーニング」を推進しようとしているが、サピックスでは黎明期からアクティブ・ラーニングが当たり前なのだ。

しかもサピックスの授業には休み時間がない。食事をする時間もない。4・5年生は17時から20時まで、6年生は17時から21時までぶっ続け。サピックスの生徒たちはいわゆる塾弁を持たず、帰宅後に夕食を食べるのだ。

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