電鉄会社が生んだあの「カレー屋さん」の秘密 女性客にも人気の京王「カレーショップC&C」

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――すると、立地によってメニューが異なるということもあるのでしょうか?

中央林間店や府中店は休日のファミリーの利用も多いものですから、メニューには「セットメニュー」「お子様向けメニュー」を設けるなどしてバラエティ豊かなものにし、店内にもテーブル席を設けるなどして、ゆっくり食事を楽しんで頂けるように工夫しています。

その一方で、私どもの第一号店となった新宿店は、駅のコンコースにあり、駅を通過するビジネスマンが多いことから、カウンターのみの店舗となっています。あるいは有楽町店などでもビジネスのお客様が多い。いきおい、速く食事を摂りたいとお考えになるお客様が多くなりますから、このような店舗では、機能性を重視した店づくりが行われます。

――店ごとに作りわけがあるのですね?

どこに出店をして、どのような内装の店を作り、どのようなメニューを提供するのか。このあたりは十分にリサーチを重ねた上で決定しています。中央林間店では、カレーのほかにスクランブルエッグやみそ汁もついた「朝定食」を提供しています。メニューが増えるということはオペレーションが複雑になるということですが、お客様のニーズを獲得するために、新メニューを開発しました。

これまでC&Cは、すべて直営によって展開されてきましたが、昨年度からは新たにフランチャイズ方式での展開を開始しています。これは現在まだ3店舗のみですが、永田町、新木場など、京王電鉄の沿線からは少し離れた地域への出店が可能になるスタイルとして、私どもも期待しているところです。

守り続ける「クイックサービス」

――カレー専門店というと、お客様は男ばかりというのが一時代前のイメージでしたが、近年はそのあたりもだいぶ様変わりしているようですね。

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女性からの人気が高い「オムカレー」

女性のお客様が増えていますね。「C&C」が最近になって開発したメニューに、ふわふわの卵を乗せた「オムカレー」があります。これも店舗限定のメニューとはなっていますが、お陰様で女性のお客様から好評を頂いています。

ただ、私どもの一番のサービスが何なのか?というと、それは「クイックサービス」であると、この一点は変わることなく守り続けています。唯一、吉祥寺店のみは、お客様が席についてからメニューをお出しするというスタイルを採っていますが、これには実験的な意味も含まれています。

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