複写機各社が攻め込む7兆円印刷市場、キヤノン、リコー、ゼロックス…大手が激突!


 大手事務機器メーカー各社が今、一斉に新市場参入に打って出ようとしている。

2月、東京・池袋で開催された業務用印刷機の展示会「PAGE2009」。会場には小森コーポレーション、独ハイデルベルクといった伝統的な印刷機メーカーと肩を並べ、異業種軍団が顔をそろえた。富士ゼロックス、キヤノン、リコー、コニカミノルタホールディングス……。いずれも、プロの業者が使う印刷機というよりは、身近にあるオフィスの複写機などで知られる事務機器メーカーである。

「4年前、この展示会に参加していた事務機メーカーは富士ゼロックスだけだった。今年は事務機メーカー全社が参加。明らかに4年前とは違う光景」。展示会の関係者はそう語る。今では、印刷機メーカーの占める面積を6割とすれば、事務機メーカーのブースは4割を占めるまで勢力を広げているという。

デジタル商業印刷機とオフセット印刷機の違い

その日、事務機メーカー各社が披露したのは、デジタル商業印刷機。業務用印刷機としても使えるよう、従来生産してきたオフィス向け複写機の機能を大幅に高めたものだ。

従来、カタログやパンフレット、ダイレクトメールといった業務用の印刷物は、版を作り、同じ内容のものを大量に安く印刷する、「オフセット印刷」の領域だった。書籍、カタログ、ポスターなど、世の中にあふれる印刷物のうち、オフセット印刷機によるものは年間約971万トン(日本製紙連合会調べ)。複写機やプリンタが出力する印刷物(年間約94万トン)の10倍以上に上る。

オフセット印刷機は幅1メートル強の巨大なローラーがむき出しになった産業機械であり、オフィス用の事務機と比べれば、まるで子供と大人。同じ“印字する機械”ではあっても、似て非なるまったくの別物だった。

だが、デジタル商業印刷機の登場により、このオフセット印刷機と事務機との間の高い壁が、徐々にではあるが崩れつつある。

その流れを可能にしたのが、デジタル商業印刷機が持つ「小口印刷」と「バリアブル(可変)印刷」という二つの機能だ。

小口印刷とは、多品種の印刷物を少量部数ずつ印刷すること。企業はかつて、カタログ、パンフレットなどを1年分まとめて印刷業者に注文していた。が、近年は在庫圧縮を目的に当面必要な部数だけに絞って刷る傾向が強まっている。

数千部以上の印刷物になれば、大量印刷に優れたオフセット印刷機のほうが、コスト面では圧倒的に割安。だが、デジタル印刷機はオフセット印刷機で必要とされる刷版を作る工程が不要なため、1000部以下程度の印刷であれば、コスト面でも優位に立てる。

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