フェラーリの中古価格があまり落ちないワケ

「業界の常識」が通用しない相場がつくられる

2009年発表のフェラーリ「458イタリア」。中古車サイトを見ると新車価格を上回る値段がつく車もある

数百万円、場合によって1000万円超を支払って手に入れた新車。走行距離や事故の有無、ボディーカラーなどにもよるが、一般的には購入後1年もすれば下取りや買い取りに出すときに付く値段は新車価格の半分以下になってしまい、その後も価値は下がり続ける車種がほとんどだ。それは原則として国産車、輸入車を問わない。

ところが、この中古車業界の「常識」が通用しないブランドがある。フェラーリである。いうまでもないイタリアのスーパーカーだ。あくまで取り扱いに長け、価値のわかる顧客のネットワークをしっかりと構えたスーパーカーの専門業者が介在していることを考慮したうえでの話となるものの、フェラーリは一般的な車と比べて、明らかに中古(下取り・買い取り)価格の低下が緩く、時には希少性から中古車の価格が新車を上回ることもある。

新車と同じ価格で買い取りもありうる?

会社経営者のAさんがビクビクしながら、初めてのフェラーリ、360モデナ(1999年発表 ベース価格約1700万円)を手に入れたのはもう10年も前のことだ。総支払い額は約2000万円。見得を張って全額現金で支払った。

順調だったAさんの会社が想像もつかないようなトラブルで畳まなくてはならなくなったのは、その1年後のことだった。仕事も忙しくフェラーリは眺めるだけだったから、走行距離は1000kmにも達していなかった。もちろん、そのクルマはすぐ涙を呑んで手放した。

Aさんに目を掛けていてくれていた取引先のオーナーは、何も言わず10年前にAさんがフェラーリの購入に支払った総額とほぼ同額で引き取ってくれた。「いつでも乗りに来いよ」という彼の言葉にAさんは思わず涙した。再起に向けてこの2000万円はAさんを助けてくれた。そしてもう一度フェラーリを手に入れることができるように死ぬ気で頑張った。

次ページAさんはその後、どうしたか?
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