「負けない経営者」が持つ、たった1つの共通点 米国のプロ経営者が明かす危機克服の秘訣
――2001年にラウドクラウドは上場しますが、すでにその時点で破産寸前でした。ほかに資金調達手段がなかったにせよ、上場のリスクも大きかったはず。どのようにして上場の決断に至ったのですか。
あるフットボール選手がかつて「同じことを続けて一貫性を保つよりも、正しくありたい(I’d rather be right than consistent)」(もとはウィンストン・チャーチル元英首相の言葉)と話していたことがあって、その言葉をずっと胸にとめてきた。過去にIPOを経験したこともあるが、(ラウドクラウドの)上場はとても厳しいものになるとわかっていた。創業たった18カ月の赤字会社を上場させれば、世間からものすごい批判を受けるだろうと。
実際、マスコミにはめちゃくちゃにたたかれたし、訴えられたし、本当にヒドイことがたくさん起こった。それでも上場したのは、それが一番マシな選択肢だったし、振り返ってみればやはりマシな選択だった。目の前に「悪い」ことと、「それより悪い」ことという選択肢があった場合、「悪い」ほうを選んで前に進むしかない。
失敗しても自信を持てる人がCEO向き
――ご自身の経験を踏まえて、CEOに向いているタイプはどういう人だと思いますか。
数多く失敗することになるので、とにかく自分に自信がある人がいい。失敗によって自信を失うような人は経営者には向いていない。これが一番難しいことだが、つねに自分の精神状態をコントロールせねばならない。
CEOの仕事では、知的なチャレンジよりも精神的なチャレンジのほうがずっと多い。自分が引き起こした失敗が従業員や顧客、株主と多くの人々に影響を及ぼしてしまうからだ。自分が失敗するたびに多くの人が痛手を被ると知りながらも、それでも自分がこの仕事に一番向いていると自信を持ち続けなければならない。自分がやっている仕事が実は、誰でもできるような、たいしたものでなくても、堂々としていないといけない。
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