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いばらき
首都圏に近接する好立地に
交通インフラの整備が進む
茨城県への企業の進出が相次いでいる。大手企業の大規模な製造拠点、物流拠点のみならず中堅企業やベンチャー企業までもがこぞって茨城県を選んでいるのである。
もちろん、その理由は、茨城県が企業の立地ニーズに応えていることにほかならない。実際に企業の声を聞くと、新設・移転検討時に重視する要素の多くを茨城県がカバーしていることがわかる。たとえば、その好立地である。都心から30キロ~150キロというロケーションは、まさに市場や取引企業との近接性を実現する。東京に本社を置く企業の新たな拠点としてもその距離は魅力だ。関東平野の北東部に位置する茨城県は、県央を中心にそのほとんどが平坦な地形だ。安定した気候で住みやすい土地としても知られ、人材確保という観点からの優位性も存在している。
また首都圏から100キロ圏という立地メリットをさらに高めているのが、交通インフラ。茨城県内には南北に走る常磐自動車道、東西を横断する北関東自動車道、県南・県西地域を横断する首都圏中央連絡自動車道(圏央道)、鹿行地域を南北に走る東関東自動車道水戸線の4本の高速道路がある。
圏央道については、境古河インターチェンジ(IC)からつくば中央IC間が2016年度内に開通する見通しとなり、これにより圏央道の茨城県内区間がすべてつながり、東関東自動車道、東北自動車道と接続される。成田空港や都心、東北などへのさらなるアクセス向上が実現するわけだ。このほか、東関東自動車道水戸線の(仮)鉾田ICから茨城空港北IC間については17年度に開通が予定されている。
これらの取り組みに対する影響はすでに出始めており、茨城県内ではつくば関城工業団地(筑西市)、結城第一工業団地矢畑地区(結城市)、つくば下妻第二工業団地(下妻市)などの工業団地が、いずれも短期間で完売している。県は高まるニーズに応えるために、圏央道沿線における産業用地の開発を支援するほか、優遇制度の充実を図るなどして、今後もさらに立地環境の整備を進めていく考えだという。
港湾、空港、鉄道もさらに進化
メリットを評価する企業も増加
高速道路に加え、港湾、空港などの広域交通ネットワークの整備も進んでいる。
県内には日立港区、常陸那珂港区、大洗港区からなる茨城港と鹿島港というグローバル展開の重要拠点があるが、いずれもさらなる整備が進行中だ。たとえば常陸那珂港区では、建設機械や自動車などを扱う国際物流ターミナル整備事業が進められている。15年度中に完成予定となっている同港区中央ふ頭地区の耐震強化岸壁に加え、新たな岸壁を20年度までに整備する。完成すれば、首都圏の物流ネットワーク強化が図られ、国内自動車産業などの競争力強化がさらに期待できるという。