「台湾のためには、国民党を壊す必要がある」

コナンファンの台湾団結連盟有力候補に直撃

陳奕齊氏
1月16日に行われる立法院選挙で、「第3勢力」を代表する政党のうち、「時代力量」と「緑党社会民主党連盟」が特に注目されている。一方で、「台湾独立」を強く主張し、前回2012年の立法院選挙では3議席を獲得した台湾団結聯盟(台聯)は、今回の選挙選で相対的に存在感が低下している。
台湾団結聯盟はこれまで、強力な本土意識を持って台湾独立を支持する中・高齢者層が支持するイメージが強い政党だった。しかし、このイメージから脱却するため、台聯は社会運動団体「基進側翼」(Radical Wings)の創設者で代表を務める陳奕齊氏(ちん・えきさい、Chen Yi-Chi、43)を比例代表名簿の1位に据えた。
彼は台湾の政界、社会運動家の中ではとても有名だ。陳氏のことを「新一」と、日本人の名前で呼ばれている。オランダで博士号を取り、政治経済学が専門の陳氏。彼と基進側翼は、2014年3月の学生など若者を中心とした一大社会運動・ひまわり学生運動に重要な役割を果たした。いま台湾の社会運動の中で広く言われている「国民党が倒れなければ台湾はよくならない」(国民党不倒 台湾不会好)という言葉は、まさに陳氏が使う言葉だ。

 

──台湾の学生やメディアで、あなたはなぜ「新一」と呼ばれているのか。

日本のアニメ「名探偵コナン」を見るのがとても好きで、主人公の名前が新一だからだ。コナンは「真実はいつも一つ!」と言う。私は社会科学として政治経済学を専攻したこともあり、政治改革は科学的な事業だと考える。

われわれが政治問題の根源を探そうとすれば、まず科学的な分析をすべきであり、その次にどのように科学的な方法で解決できるかを考えなければならない。コナンのように、問題の内容をじっくりと探求する過程で核心的な理念にアプローチし、最後には真相を探し出すべきだと考える。

「政治改革は科学的事業だ」

──あなたが創設し、心血を注いできた「基進側翼」はどのような団体か。

この団体は、まさに日本食のレストランで出てくる定食の考え方と同じだ。選択の枠組みを変えよう、ということだ。たとえば、300円、400円、500円の定食があれば、普通の人でこれといったこだわりがなければ400円の定食を選択するだろう。300円の定食は安すぎておいしくないかもしれないし、高い定食は値段なりの味ではないかもしれない。

投票行為もこれと同じで、有権者は一定の枠内で無難な選択をしがちだ。台湾は保守的な社会だ。中立的な判断をする有権者がおらず、それは選択の幅が狭い。有権者が投票するのなら、中国の政治や経済の代理人となっている国民党か中国との統一を望む勢力を代表するもの。彼らは300円の定食であり、その両者の真ん中で経っているのが馬英九総統で彼は400円のそれ、そして500円の民進党の三者しか投票する相手がいない。この三者で無難な選択をしようと思えば、400円の馬英九総統になってしまう。

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