2020年の春先に始まった新型コロナの影響で、以降の新作時計発表会はストップしていたが、約2年を経過した今年は、スイス・ジュネーブでウォッチ&ワンダーが開催された。
ウォッチ&ワンダーは、以前、カルティエをはじめとするリシュモングループを中心に行ってサロン、SIHHが拡大・発展したもの。リシュモングループにロレックス、パテック フィリップ、シャネルなど高級ブランドが加わり、より華やかに、よりラグジュアリーになって開催されたのだ。昨年もこの枠組みで開催したのだが、まだまだ新型コロナの状況は厳しく、ライブセッションを視聴する、という形がとられた。
22年は欧米がウィズ・コロナへ舵を切ったこともあって、晴れて開催されたのだ。残念ながら日本からは、まだ渡航に関する条件が厳しいこともあり、少数のブランド関係者、ジャーナリストが参加するにとどまった。また、以前は大々的に行われていたバーゼルワールドは中止。スウォッチグループやオーデマ ピゲなど、どちらにも参加していないブランドは独自に発表会を行っている。
とくにこの2、3年、人気が高いのが“ラグスポ”と呼ばれる高級スポーツウォッチだ。今年も多くのブランドが新作にラインナップしている。また、カラーバリエーションが増えているのも目につく。ダイヤル色が、ブルー、グリーン、レッドと華やかになってきているのだ。
そんな中でもとくに印象的だったのが、腕時計の小型化である。これは男性モデルにとってのことで、2000年代に大型化した腕時計は確実に小さくなっている。反対に女性モデルは大型化の傾向が見られた。大型化した2000年代でも、35㎜、36㎜のケースは確実に男性用だったのだが、今年はその大きさで「女性用です」とはっきり言うブランドも出てきている。数年前からその傾向はあったものの、今年は決定的に大きくなったようだ。もちろん小型ウォッチも健在だが。
そうなると夫婦、カップルでシェアウォッチということも可能になる。近年、時計の価格は上がっており、思いがけない戦争の影響で原材料が高騰しこの先も高くなる可能性は十分に考えられる。ストラップの種類も増えており、インターチェンジャブルという簡単に取り替えが利く機能も珍しくなくなった。先に述べたようにカラーバリエーションも増えているし、服装のカジュアル化によって男女の境界線はますます低くなっている。
そういった状況もあって、本特集では“シェアウォッチ”を意識してニューモデルを選んでみた。もちろん、小型ウォッチをラインナップしていないブランドもあるが、なるべく女性が着けてもおかしくないモデルをチョイスしたので、購入の参考にしていただければ幸いである。

IWC
アイ・ダブリュー・シー
JAEGER-LECOULTRE
ジャガー・ルクルト
MONTBLANC
モンブラン
VACHERON CONSTANTIN
ヴァシュロン・コンスタンタン
FREDERIQUE CONSTANT
フレデリック・コンスタント
AUDEMARS PIGUET
オーデマ ピゲ