
サンガードは大手金融機関や一般事業法人を中心に、金融システムを提供するIT・ソフトウェア企業だ。同社はシステムベンダーとしての長年の経験をもとに、企業の財務戦略や基幹システムにとって最適なGCMのソリューションを提供する。
お金を「在庫」と捉えて
効率的な活用方法を模索

サンガード・ジャパン
トレジャリーソリューション
バイスプレジデント
柳 洋二郎 氏
サンガードは1982年に米国で設立されたソフトウェア企業。主に金融機関のホールセールバンキングにおけるオーダー・マネジメントやディーリング、バックオフィス、リスク管理などのソリューションを幅広く提供してきた。これらの知識と経験を土台として、1990年代後半には一般事業法人向けのトレジャリー業務のソリューションの提供も開始した。
現在は金融機関だけでなく一般事業法人の財務部門も顧客としており、サンガードが顧客に直接ソリューションを提供する場合と、銀行経由でサービスを提供する場合がある。
日本では、1996年に設立されたサンガード・ジャパンが、GCMを含むさまざまなソリューションを100社以上の企業に提供している。
サンガードが考えるGCMとはどのような財務戦略なのか。サンガード・ジャパンでトレジャリーソリューション事業を担当する柳洋二郎氏は説明する。
「キャッシュマネジメントは従来、銀行口座の残高の可視化や決済の管理といった意味で捉えられていますが、サンガードはもっと広い意味で考えています。企業がモノを売るとき、効率化を図るために在庫を圧縮する、販売チャネルを絞るといった工夫をします。モノの裏側にはお金があります。私たちはお金も『在庫』と捉えます。お金はただ存在するだけでは何も利益を生みません。設備投資をしたり、負債の返済に充ててバランスシートを縮小させるなど、在庫であるお金をいかに効率よく使うかを考えることは、モノの在庫管理と同様に大切なことです」
「お金そのものの管理だけでなく、お金をどう使うかまで含めて管理していくことが私たちの考えるキャッシュマネジメントです」
GCMは企業収益にどんな効果を及ぼすのか。「多くのCFOはD/Eレシオ(資本に対する負債の比率)を1倍以下に下げることをひとつの目標としています。そのためにどの口座にどの程度の余剰なお金があるかを管理するだけではなく、例えば売掛金を回収する日数を短縮して、運転資金を借りずに済ませるという方法も考えられます。GCMをきちんと行うことで企業のROEが向上し、利益にも結びついていくと考えています」(柳氏)

トレジャリーソリューションの効用
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