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ライフ #カラスに蹴られるその日まで

不気味な「カラスの群れ」が絶対に襲ってこないことを証明しよう…ボスもおらず縄張りもない、"烏合の衆"の言い得て妙

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カラス 群れ
ヒッチコックの『鳥』や『バイオハザードIII』のようなことは起こりません(イラスト:タナカケンイチロウ)
  • 松原 始 動物行動学者、東京大学総合研究博物館・特任准教授
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カラスの「群れ」は縄張りを持たず、繁殖もしていない。ボスもいないし、統制された集団行動もしない。第一、どの群れにいるかも、必ずしも決まっていないようだ。

発信機をつけて追跡した研究例では、若いカラスはしょっちゅう居場所を変えている。カラスの群れは、まるっきり烏合の衆なのである。

ただし、この集団は合コン会場でもある。鳥としては珍しいほうだが、カラスは繁殖するよりずっと早く、この集団の中でペアを作ってしまうようだ。

明らかに繁殖していないのに、2羽で仲良くしているカラスを見かけるからである。メスに「これあげる」と求愛給餌しているオスもよくいる。もっとも、メスに「いらない」とそっぽを向かれたりもするのだが。

繁殖するためには「縄張り」が必要

さて、こうやってペアを形成したとしても、繁殖はできない。繁殖するためには自分たちと雛が安全に食べていくための生活基盤がいる。それが縄張りだ。

縄張りはペアによって防衛され占有される空間で、十分な餌資源と営巣場所があるのが条件である。この辺は人間が「結婚して子育てするなら就職してちょっと広い家に住んで」と考えるのと、基本的には同じだろう。

集団の中でペアを作ったカラスは、2羽で連れ立って縄張りを探す。

見通しの良いところで観察していると、カラスの集団がいる場所から2羽が飛び立ち、小さな公園などにスーッと降下していくことがある。縄張りに良さげな場所なのだろう。

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