その一方で、高市首相は国会論戦のスタートとなった衆参両院の代表質問と、これに続く衆院予算委では、簗氏の進退について「仕事をすることで、閣僚としての責任を全うしてほしい」と繰り返していた。これについて、高市首相の周辺には「内閣支持率も高いので、何とか逃げ切れる」との読みがあったとされる。
確かに、当初は野党側も「疑惑追及ばかりでは国民に批判される」(立憲民主党幹部)として、及び腰だったのは事実だ。しかし、『週刊文春』だけでなく、主要メディアが次々に「簗氏の不適切な言動」を発掘して報道する事態となった段階で、野党側は「審議拒否も辞さないで徹底追及する」(国民民主党幹部)との強硬姿勢を固めた。
こうした状況に、高市政権も「国民世論の圧力には抗しきれない」(官邸筋)という判断に傾いた。自民党幹部の間でも「このままでは内閣が大変なことになる」と危機感が急拡大。その結果、「高市首相は内堀も外堀も埋まって万事休した」(自民党長老)というのが実態とみられている。
混迷の度が高まる国会運営
今回の簗氏辞任について、野党各党は高市政権の「判断の遅さ」を批判するとともに、高市首相の任命責任も厳しく追及。そのうえで、「簗問題」で政策の審議が深まらなかったと主張し、改めて予算委員会の集中審議の開催を要求するなど、改めて政権との対決姿勢を強めている。
国民民主党の玉木雄一郎代表は「簗氏も首相も判断が遅すぎる」と指摘。「予算配分が恣意的に変わる疑念は晴らされていない」として、高市首相らに説明責任を果たすよう要求した。
公明党の岡本三成代表は「辞任は当然だ。(首相の対応も)受け身だった」と分析。立憲民主党の斎藤嘉隆国対委員長は「首相の任命責任を問う質疑は避けて通れない」と追及を続ける考えを示した。
参政党は「歪んだ予算配分の闇を放置したまま、大臣ひとりの辞任によって幕引きを図ろうという自民党の欺瞞を決して許してはならない」とのコメントを発表。民主改革の会の後藤祐一国対委員長は「公職選挙法(違反)の話が出てきて(首相は簗氏を)辞めさせた。道路予算カット発言だけで辞める必要はないという首相の判断が問われる」と非難した。
こうした状況も踏まえて、与党は14日の衆院議員運営委員会の理事会で消費税減税関連法案について、20日の衆院本会議での審議入りを提案したが、野党側は法案に盛り込まれた就業者負担軽減支援金の対象などが不明だとして同意せず、協議を15日以降に持ち越した。


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