高市首相は15日午前、後任の農水相に武部新政調副会長の起用を表明した。武部氏は同日夕の皇居での認証式を経て正式に就任し、16日に予定される参議院予算委員会に出席、答弁に立つ。
武部氏は文部科学副大臣(第1次石破内閣・第2次石破内閣)、農林水産副大臣(第1次岸田内閣・第2次岸田内閣)、党農林部会長などを歴任。さらに、父親は党幹事長や農水相を務めた武部勤氏で、党内でも農政通で知られる人物だ。そのため、後任人事については自民党内でも一定の評価と期待がある。
一方で、そもそも「簗ちゃんは私の知恵袋」とまで言って、「“総理特別枠”で入閣させた」(自民党幹部)だけに、「まさに高市政権の危機管理と人事戦略の破綻でもあり、高市首相の任命責任は簗氏の辞任で終わりようがない」(自民党長老)といった厳しい指摘も少なくない。
揺らぐ自維連立の“根幹”
自民党内には「今国会で消費税減税は何とか成立しても、日本維新の会が求めている衆院の議員定数削減の成立はまったく見込めず、参院で否決された場合の衆院での再可決などもはや無理」(自民党の国対幹部)との声が支配的だ。
これに対して、維新は「政権合意も踏まえれば今国会での成立は当然で、さらなる先送りなら政権離脱もありえる」(幹部)という立場を変えていない。定数削減法案の処理をめぐって今国会会期末に自民党と維新の亀裂も表面化しかねない。
ただ、自維連立政権の最大の拠り所は「高市首相と維新の吉村洋文代表の親密な関係」(維新幹部)とされる。それだけに、今後の展開次第では吉村氏も維新代表としての責任が問われる事態も想定される。
「今回の簗氏辞任で浮き彫りになったのが、自民党のおごりと傲慢さだ」と自民党長老はつぶやく。来年4月の統一地方選で自民党の苦戦が際立ち、消費税減税が4月以降の物価下落につながらなければ、高市首相の政権運営に対して国民的批判が拡大するのは必至とみられる。
政界関係者の間では、「今回の簗氏辞任で、高支持率にあぐらをかいてきた高市首相の見識や資質が問われ、総裁再選への大きな障害ともなりかねない」といった厳しい見方も広がり始めている。


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