しかし、恋愛を捨ててまで、自分の道を進もうとしているのに、なかなか看護婦として働けない。ナイチンゲールはそのことに絶望し、31歳の若さで死を望んだこともあったが、徐々に親の反対も和らいでいく。
ついに看護婦の監督に
そしてナイチンゲールは、ついに33歳のときに、ロンドンの病院で、看護婦の監督として雇われることになる。就職する前年、父にこんな手紙を書いている。
「あの何ひとつ、自分自身をさえ支配できないような失望に満ちた未熟の時代、青春――。私のそれはついに終わり、二度と戻らないという、その喜びをかみしめています」
ナイチンゲールがクリミア戦争に従軍して、現地で敵味方関係なく看護にあたり、世界を驚かせるのは、この数年後のことである。
人生は時に何かを失ったあとに、大きく飛躍する。ドラマ『風、薫る』のりんも、これからますます看護婦として活躍することだろう。
【参考文献】
セシル・ウーダム=スミス著、武山満智子・小南吉彦訳『フロレンス・ナイチンゲールの生涯(上)』(現代社)
真山知幸著『偉人名言迷言事典』(笠間書院)
青山誠著『大関和 看護に人生を捧げた日本のナイチンゲール』(角川文庫)
田中ひかる著『明治のナイチンゲール 大関和物語』(中公文庫)
田中ひかる監修『大関和 明治のナイチンゲールたち』(平凡社)
櫻庭由紀子著『戦う白衣の天使 大関和・鈴木雅ものがたり』(内外出版社)


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