安定も挑戦も諦めない「50代転職」成功の方程式 日本の製造業を変革する「ベテランの意地」

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企業でキャリアを重ね、気づけば50代。ふと周囲を見渡したとき、そこにあるのは定年へのカウントダウンと、組織の論理で調整役に回らざるをえない「守り」の日々ではないだろうか。

「まだ、やれるはずだ」「もっと現場の熱を感じていたい」。胸の内にたぎるその情熱とは裏腹に、家族や生活を考えれば、明日をも知れぬ環境へ飛び込むリスクは冒せない──。

多くのシニア層が直面するキャリアの分かれ道に新たな選択肢を提示するのが、製造業を中心としたコンサルティング事業を展開する横河デジタルだ。創業100年を超える横河電機グループの「安定した経営基盤」と、設立間もない組織ならではの「挑戦の余白」が共存する場。これまで培った技術と経験をダイレクトに社会実装へつなげられる環境の魅力とは。

ともに50代での転職を決断した2人へのインタビューを通じて、キャリアの集大成を実現するための「1つの答え」をひもといていく。

Case1/「50代の初転職」で見いだした新たな成長機会

横河デジタルのDXコンサルティング部に所属するシニアマネージャーの高橋賢司氏は、1998年に日本IBMで社会人としてのキャリアをスタートさせた。以来、約27年にわたり、都市銀行や官公庁向けのシステム開発、データベース製品のテクニカルセールス、システム全体のアーキテクチャ構築など、幅広い領域で経験を積んできた。

高橋氏
横河デジタル
コンサルティング事業本部
DXコンサルティング部 プロジェクトマネジメントグループ
シニアマネージャー
高橋 賢司

新卒から勤め上げた大手企業を離れ、横河デジタルに転職したのは2025年4月のこと。50代で初めての転職、そして異業種での挑戦を決意した背景には、自身のキャリアのこれからに対する切実な問いがあった。

「経営に近い位置で組織のマネジメントを担う道へ進むのか、あるいは難易度の高い案件でトラブルシューターとして現場に居続けるのか、その分岐点にいました。慣れ親しんだ前職に残る選択肢もありましたが、フィールドを限定せずに自らの経験をより生かせる場所を探そうと考えました」

人生の後半戦で成し遂げたいことと向き合う中で出合ったのが、設立から間もない横河デジタルだった。マネジメントの立場でお客様、部下、そして仲間の幸福度を上げる組織運営をしたいという欲求を、最も純粋に、かつダイレクトにかなえられると感じたという。

「横河デジタルでなら、新興組織の成長というダイナミズムに接することができる。その期待が、新たな挑戦へと突き動かしました」

高橋氏インタビューカット

現在、高橋氏がプロジェクトマネージャーとして指揮を執っているのは、半導体関連メーカーにおける生産管理・品質管理システムの構築プロジェクトだ。高橋氏が重視しているのは、コンサルティングを提言で終わらせない姿勢である。

「コンサルティングで提案までにとどまると、お客様の手元に形として成果が残りにくいのですが、私たちは構想から実装、運用定着までをワンストップで担っています。現場の課題に実効力のある対策を講じることで、お客様に『この人たちに任せれば会社が良くなる』という期待と信頼を提供できることが、私たちの強みです」

高橋氏のまなざしは、プロジェクトの成功の先にある「日本の製造業の復活」にも向けられている。

「高い技術を新たな価値創造やビジネスモデルの転換へと結び付ける点において、日本はまだ大きな伸びしろを残していると感じています。横河デジタルが提供するソリューションで、日本の基幹産業が再び活力を取り戻し、世界を驚かせる。その一翼を担えることに大きなやりがいを感じていますね」

Case2/「センサー畑一筋」のスペシャリストが感じた最大の魅力

高橋氏と同じく、50代で横河デジタルに転職したAIコンサルティング部の岩城秀和氏は、オリンパスやソニーセミコンダクタソリューションズなど、複数の大手メーカーでキャリアを積んできた研究開発のスペシャリストだ。

岩城氏
横河デジタル
コンサルティング事業本部
AIコンサルティング部 AIインキュベーショングループ
シニアマネージャー
岩城 秀和

岩城氏のキャリアは、一貫して「センサーメーカー」で積み重ねられてきた。半導体イメージングや内視鏡といったセンシングデバイスの領域を渡り歩いてきた彼が、横河デジタルを選んだ理由は非常に明快だ。

「誰でも触れられるデータではなく、AIの社会実装を進めるために重要な『現場のデータ』に触れられること。AI技術の研究にとって最大の魅力があると感じたことが、いちばんの決め手でした。自分のやりたかったセンサーの強みをサービスに直結させる方法を模索する上で、横河デジタルには制御システムを通じて、工場の深部に眠るデータにさえアクセスできる圧倒的なユニークさがあります」

現在、岩城氏が向き合うのは、先端技術の探索と社会実装の両輪だ。そのミッションの1つが、「AI開発そのものをAIで効率化・加速させる」という試みだ。

「AI分野は驚異的な速度で進化しており、半年前の技術が陳腐化することも珍しくありません。既存の技術を活用して価値創出に取り組みながら、それでは解決できない課題を見据え、次の解を探るのが私の役割です」

現状の製造現場では「AIは人間より優秀だ」という幻想が根強いことも事実だ。岩城氏は、現実的なアプローチの重要性を説く。

岩城氏インタビューカット

「製造現場のAI活用で大切なのは、幻想を捨て段階を踏むことです。いきなり100%の自律化を目指すと膨大なデータが必要になりプロジェクトは頓挫します。まずは『誰でもできる定型業務』の代替から始め、運用の中でデータをためて領域を広げるのが成功の鉄則です」

また社会情勢を背景に、企業が持つ課題が複雑化する今だからこそ、技術者には1つの専門性を深めるよりも、複数の専門性を幅広い知識でつなぐ力が今後重要になると岩城氏は説く。自身も画像処理の専門性を軸に、現在も全く未知の分野である制御理論を、横河デジタルに来て一から学んでキャッチアップを続けている。

「現在は外国人メンバーを含む複数のチームを率いています。50代にして初めてのマネージャー経験ですが、研究者からコンサルタントへと肩書は変わっても、顧客の課題を技術で解決することが楽しいという原動力は変わりません」

横河電機の安定を基盤に、新興組織のダイナミズムを享受

高橋氏と岩城氏に共通するのは、横河電機がもたらす「安定性」と、設立間もない組織だからこその「挑戦の余白」が、同じ場で両立している点に強く惹かれていることだ。腰を据えて投資と検証を重ねられ、同時に組織づくりや先端技術の社会実装といった未開拓の領域に踏み込める。この立ち位置こそが、同社のユニークさを象徴している。

高橋氏は「転職において、給与や福利厚生といった要素は無視できません。横河デジタルには、前職と比べても遜色ない制度が用意されているという安心感がありましたね」と話す。

また岩城氏は、かつて内定していたベンチャーが取引先の意向1つで消滅してしまった例を挙げ、母体の盤石さが生む価値を強調する。

その一方で、組織としてはスタートアップ特有の未整備が同居しているのも特筆すべき点だろう。品質管理基準の策定など、大企業であれば当たり前に存在したルールを一から議論して作り上げる過程に、両氏とも確かな手応えを見いだしている。

高橋氏と岩城氏

こうした変革を支えるのは、ベテランと若手が共創する多様な組織だ。高橋氏は、経験者だけの感覚で進めると既存のやり方に落ち着いてしまうと指摘し、「若い世代の感覚を取り込むことで本当の変革を実現したい」と語る。

岩城氏も、多国籍のメンバーを抱えるチームを率い、価値観の相違を前提としたコミュニケーションを重視している。異なる価値観を接続し、成果へと導く「翻訳能力」は、長く現場を経験したベテランだからこそ発揮できる価値と言えるだろう。

安定か、挑戦か――。多くのシニア層が直面するその問いに対し、自らの知見を「過去の遺産」ではなく、日本の製造現場を変革する力へと変える高橋氏と岩城氏の挑戦は「1つの答え」を示している。そんな2人が体現する働き方に、あなたが追い求めるキャリアのヒントがあるかもしれない。

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