関根麻里と学ぶ!はじめての金(ゴールド)投資 人類の歴史が証明してきた「変わらない価値」

金が愛され続ける理由は
「希少性・普遍性・重み」にある
関根 そもそも金って、どうしてこんなに価値があるんでしょう? 昔から「金は特別」と言われていますが、改めて理由を聞いてみたいです。
池水 私も最初は不思議でした。39年前、商社に入社して貴金属の担当になったとき「なぜ金だけがこんなに高いんだろう?」と感じたのを覚えています。ほかの金属と比べると、価値や扱われ方がまるで違うわけです。
そこから金に関する知識と経験を身に付けた結果、金が特別な理由はいくつかあることがわかりました。
まずは希少性です。世界中で掘り出された金をすべて集めても、体積にすると22m四方の立方体くらいしかありません。国際基準の水泳のプールに換算すると、4杯分ほどしかありません。人類が数千年かけて掘り出した量がそれだけなんです。
関根 そんなに少ないんですね! 想像していた以上です。
池水 それだけではありません。金の最大の特徴は普遍性です。酸化せず、ほとんどの化学物質に反応しません。だからツタンカーメンの黄金のマスクは約3300年経っても輝いたままなんです。
関根 確かに。博物館で見てもずっときれいなままですよね。
池水 それから、金を手にするとわかるんですが、ずっしりとした重みを感じます。比重は水の約19倍と非常に重く、見た目以上のずっしりとした感触がある。人は昔から、この重さに安心や価値を感じてきたんです。
関根 重さも価値になるとは意外です。金の価値を支えているのは「希少性」「普遍性」「物質としての重み」の3つということですね。
池水 そのとおりです。地球上にごくわずかしかなく、朽ちず、手に取れば確かな重みがある。このことが、人類にとって金が「変わらない価値の象徴」であり続けた理由です。ほかの貴金属と比べても、金は特殊です。例えばプラチナは自動車の触媒など工業需要が約70%を占めますが、金は95%が投資や宝飾用です。つまり「持つこと」自体に意味がある金属なんです。

関根 面白いですね。普通は「役に立つから価値がある」と考えますけど、金はただ存在するだけで価値があるわけですね。その観点からすると、宝石も似ている気がするのですが、金の価値とはまた違うのでしょうか?
池水 決定的な違いは、「金はどこで採れても同じ金」だということです。例えば、ダイヤモンドは一つひとつ品質が異なり、色や透明度、カット、カラットで価値が決まります。一方、金は元素としての性質が均一です。純度99.99%の金なら、世界中どこで採れてもまったく同じ価値を持つので、産地やブランドによる差がありません。
さらに、金は形を変えても価値が変わりません。アクセサリーに金が含まれていた場合、その重さを量れば価値を正確に算出できます。どんな形でも、どんな国でも同じ価値を保つ。それこそが、金の強さなんです。
「現物を買う」以外の選択肢も多数。
金を活用した資産形成のかたち

関根 金が時代を超えて価値を保ち続けてきた理由をよく理解できました。金は投資の対象にもなっていますよね。具体的には、どのような方法で投資できるのでしょうか?
池水 大きく分けて3つあります。1つ目は現物購入です。金地金(インゴット)と呼ばれるバーや、金貨などの「物理的な金」を購入する方法です。2つ目は純金積立です。毎月一定額、金を継続して自動購入する方法で少額から始められます。3つ目は金関連の金融商品です。金価格に連動するETF(上場投資信託)や投資信託を証券会社や銀行で購入する方法です。
関根 いろいろな種類があるんですね。現物はどこで買えるのでしょうか?
池水 貴金属商、宝石商、デパートなどで購入可能です。金の価格は世界の相場に連動しているので、どこで買っても値段は基本的には同じです。ただ、品質の保証という観点では、ロンドン貴金属市場協会(LBMA)が認定している会社から購入するのが安心だと思います。
関根 現物購入と比較すると、純金積立や投資信託は少し難しく感じられてしまうのですが、もう少し詳しく教えていただけますか?

池水 純金積立は、毎月決まった金額で自動的に金を買う仕組みです。高いときは少なく、安いときは多く買うことで平均購入単価を平準化できます。これはドルコスト平均法と呼ばれる考え方で、価格がこれから上がるのか、下がるのかを予測する必要がないので、長期的に見ると資産形成を行ううえで有効といえます。毎月1000円と小額からスタートでき、積み立てた金は、最終的に現物としても受け取れます。
それに対してETFや投資信託は、金の価格変動に連動して運用する仕組みです。投資家から集めた資金を元に、運用会社が金に関連する資産をまとめて運用します。金の価格の上昇・下落によって、現物の売買と同じような経済的効果を得ることができます。
さらに、NISAを活用すれば利益にかかる税金がゼロになります。また、ETFであれば株式と同じように取引所でリアルタイムに売買できます。手数料を抑えながら金価格に連動した運用ができるのが特徴です。
純金積立よりも手数料を抑えられるので、コストを重視する人にはETFや投資信託が向いています。
関根 現物だと、紛失しないようにきちんとした保管場所を用意しなくてはいけないのと、日本円に変えたいときに換金が大変そうなので、ETFや投資信託が便利かもしれませんね。

何もしないことこそ最大のリスク。
「とにかく始めてみる」姿勢が大切

関根 物の値段や通貨の価値が変わり続ける今、改めて金の価値に目を向けることは、資産を守るうえでも大切な気がします。
池水 おっしゃるとおりです。今、日本円の価値が下がっており、インフレも進んでいます。今の状況では、何もしないこと自体が最大のリスクです。「リスクを取りたくないから普通預金に入れておく」という人も多いですが、実はそれがいちばんリスキーな行為だと思います。金のようにどんな時代でも価値が失われにくい資産を一定程度持っておくことは安心につながります。
関根 確かに、今の時代、「貯金しておけば安心」という感覚は薄れてきていますよね。初心者が金への投資を始めるときに、まず気を付けるべきことは何でしょうか?
池水 金に限らず、成功が100%保証された投資はないので、とにかく始めてみることが大切だと思います。「今は高いからもう少し安くなってから」と考える人も多いですが、待っているうちにチャンスを逃してしまいます。
金は長期的に見れば上昇を続けてきた資産です。だからこそ、完璧なタイミングを探すよりも、少額でもまず買ってみること。あるいは、価格が下がったときに少しずつでも買い増していけばいいんです。
投資の王道は株や投資信託ですが、それだけに偏るとどうしてもリスクが集中します。ですから私は、「株や投資信託を持ちながら金を組み合わせる」ことをお勧めしています。
関根 なるほど。まず一歩を踏み出すことが大事なのですね。池水さんのお話を伺って、時代や国境を越えて価値を保ち続けてきた金は、やはり特別な存在だと感じました。今日は、金の強さを深く学ぶことができました。ありがとうございました!

金ETFは「SPDRゴールド・シェア(GLD)」と「SPDRゴールド・ミニシェアーズ・トラスト(GLDM)」の2本があり、GLDは資産残高が世界最大かつ最も取引されている金ETF※で、スプレッド(売買価格の差)が非常に狭く、流動性が高い点が特徴だ。東京証券取引所にも上場している(証券コード:1326)。GLDMは低コストで、長期保有を重視する個人投資家向け。
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コモディティ及びコモディティ指数連動商品は、市況全般の変化、金利変動や、天候、疫病、禁輸あるいは 政治及び規制といったその他要因のほか、コモディティ現物における裁定業者や投機家の取引行動により影響を受けます。ETFや投資信託を頻繁に売買した場合、売買手数料や他のコストが大幅に増加し、その結果、低いフィーやコストによる節約効果が相殺されることがあります。分散投資は、利益を確保したり、損失回避を保証するものではありません。コモディティ投資には大きなリスクを伴うため、すべての投資家に相応しいとは言えません。
<SPDR®ゴールド・シェア(「GLD®」)およびSPDR®ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト(「GLDM®」)に関する重要情報>
SPDRゴールド・トラストはGLDに係る、そしてワールド・ゴールド・トラストはGLDMに係る(目論見書などの)届出書面をそれぞれ証券取引委員会(「SEC」)に届け出ています。各ファンドとも1940年投資会社法(「1940年法」)の下で登録された投資会社ではありません。そのため、各ファンドの投資主には1940年法の下で登録された投資会社の株式保有に伴う保護がありません。GLDおよびGLDMは1936年商品取引法(「CEA」)の規制対象ではありません。そのため、GLDおよびGLDMの投資主にはCEAが提供する保護がありません。各ファンドの受益権は株式のように売買され、投資リスクがあり、時価が変動します。GLD受益権およびGLDM受益権の価値は、各ファンドが保有する金の価値(経費控除後)にそれぞれ直接関係しており、金価格の変動が受益権への投資に大幅に不利な影響を与える可能性があります。時価で売買される受益権の売却に際して受け取る価格は、受益権が表象する金の価値よりも多い場合も少ない場合もあります。いずれのファンドもインカムを生じず、各ファンドは継続的に発生する経費を賄うべく金を定期的に売却するため、各ファンドの受益権が表象する金の量は時間の経過とともに相応分減少します。MiniShares®はWGC USAアセット・マネジメント・カンパニーLLCの登録商標であり、WGC USAアセット・マネジメント・カンパニーLLCの許可を得て使用しています。
<ステート・ストリート・ゴールド・オープン(為替ヘッジあり)/(為替ヘッジなし)に関する重要事項>
投資信託は、値動きのある有価証券等(外貨建て資産には為替変動リスクもあります)を投資対象としているため、お客さまの資産が当初の投資元本を割り込み、損失が生じることがあります。基準価額の変動要因には、金の価格変動リスク/為替変動リスク/流動性リスク/信用リスクがありますが、リスクはこれらに限定されるものではありません。投資信託は1.預金等や保険契約ではありません。また、預金保険機構および保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。加えて、証券会社を通して購入していない場合には投資者保護基金の対象にもなりません。2.購入金額については元本保証および利回り保証のいずれもありません。3.投資した資産の価値が減少して購入金額を下回る場合がありますが、これによる損失は購入者が負担することとなります。
<手数料・費用>
(売買手数料)取扱いの金融商品取引業者の定める売買手数料がかかります。
(SPDR®ゴールド・シェア[GLD、1326]、SPDR®ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト[GLDM]の信託にかかる費用)管理会社・受託銀行に支払う報酬、マーケティング・エージェントに支払う報酬、監査費用等があり、それぞれ年率0.40%、0.10%(GLDおよび1326、GLDM、2025年9月末時点)です。その他ETFを保有する際には、それぞれ個別に定められた費用がかかります。これらの費用は、運用状況等により変動するものであり、事前に上限額を示すことができません。当ETFの運営費用は将来にわたり変更される可能性があります。※取得のお申込みに当たっては、必ず上場有価証券等書面またはその他の開示書類の内容をご確認の上、ご自身でご判断下さい。※購入のお申込や売買手数料等につきましては、当ETFを取り扱い金融商品取引業者(証券会社)までお問い合わせ下さい。
(ステート・ストリート・ゴールド・オープン(為替ヘッジあり/為替ヘッジなし)の運用にかかる実質的な信託報酬)年率0.2925%程度*マザーファンド受益証券を通じて投資する投資対象上場投資信託証券の管理費用等年率0.10%を含めた実質的な信託報酬率の概算値です。ただし、この値は目安であり、投資対象上場投資信託証券の実際の組入れ状況等により変動します。
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