急成長の「請求書サービス」、2トップが真っ向勝負 Sansanとラクスが互いの得意領域に本格進出

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ラクスのロゴとSansanが展開する「Bill One」のロゴ
請求書の発行、受領にかかわるクラウドサービスで、それぞれシェアトップのラクスとSansan。ここにきて互いの領域に本格進出を決めた理由とは(記者撮影)

請求書サービスの2トップが、互いの陣地に殴り込む。

クラウド型の名刺管理サービスで知られるSansan。同社が展開する“請求書受領サービス”の「Bill One」は、デジタルや紙などいろいろな形式で届く請求書を、OCR(光学式文字読み取り装置)などを活用しながら一元管理する。会計ソフトなどとのシナジーも大きく、同様のサービスをめぐる国内市場でシェアトップとなっている。

反対に、請求書を自動で発行する“請求書発行サービス”のシェアトップを誇るのが、「楽楽」シリーズを手がけるラクス。「楽楽明細」では、システム上に帳票データをアップデートすれば、紙もしくはデジタルで請求書を発行し、印刷や封入などの作業負担を軽減する。ラクスはクラウド型経費精算システム「楽楽精算」も展開しており、この領域でも市場シェア首位を走る。

立て続けに事業拡大を発表

クラウドを活用した受領・発行それぞれの請求書サービスでトップに君臨する両社がこのほど、互いの領域に進出することとなった。

Sansanは5月、請求書発行、経費精算にサービス領域を拡大することを発表。その1カ月後の6月には、ラクスが請求書受領サービス「楽楽請求」の販売を開始すると宣言した。

ラクス、Sansanともにオプションとしてサービス展開はしていたが、今回プロダクト製品としての本格展開を決めたかたちだ。

請求書や経費精算関連サービスの有料契約件数

ラクスが請求書発行サービスを開始した2013年当時、請求書といえばまだ紙しかなかった。ラクスの楽楽クラウド事業本部長・吉岡耕児氏は「事業を取りやめるんじゃないかというほど難航したときもあった。それでも愚直に顧客の声に耳を傾けながら、(請求書発行や経費精算など)各分野に特化したソフトウェアを顧客が業務フローを変えることなく組み合わせることができるメリットを訴求して、成長させてきた」と振り返る。

直近はインボイス制度や電子帳簿保存法改正など法対応ニーズの追い風を受け、2024年3月期の楽楽明細の売上高は、前期比8割増の約68億円に伸びた。解約率は収益ベースで0.11%、累計導入社数は9971社に上る。2009年に開始した経費精算も、累計導入社数は1万6934社に達した。

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