イノベーティブな人材をどう育成するか? 伊藤嘉明氏が語るVUCA時代のマインドセット
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初のプライベートイベント「TREASURE DATA “PLAZMA”」を開催
堀内健后氏(以下、堀内):当社は2011年12月、米国カリフォルニアで3人の日本人により、ビッグデータを収集・解析する技術を持つベンチャー企業として設立されました。日本法人の設立から5周年を迎えたこともあり、初のプライベートイベント「TREASURE DATA “PLAZMA”」を東京・丸の内エリアで開催します。当社のお客様20社、パートナー25社にも参加いただき、成功事例の紹介なども交えて、デジタルマーケティングをアップデートしていただく3日間のプログラムを用意しました。西村さんにはベンチャー企業の展示なども含むプロデュースを、伊藤さんには基調講演を行っていただきます。よろしくお願いします。
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西村真里子(以下、西村):欧米では早くからスタートアップ企業と産業界をつなぐ取り組みが行われてきました。日本でもきらりと光るスタートアップ企業や大学の研究室などがあるものの、サイロ的なところが多く、なかなか垣根を越えた交流が進んでいませんでした。今回のイベントでは、さまざまな情報の共有だけでなく、スタートアップ企業と大手企業を結ぶコミュニティ形成の仕組みなども導入しています。
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堀内:初の開催地を東京・丸の内に選んだのも、スタートアップ企業やベンチャー企業だけでなく、大手企業で働きながら何かを「変えたい」と感じている意欲あるビジネスパーソンに参加してほしいと考えたからです。伊藤さんは大手グローバル企業をはじめ、さまざまな企業の事業再生を手がけてきた実績をお持ちです。今の日本企業、特に大手企業の取り組みをどう見ていますか。
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伊藤嘉明氏(以下、伊藤):「VUCAの時代」に対応できているかと言えば、残念ながら欧米の企業に比べても、またアジアの中でも遅れていると言わざるを得ません。たとえば、スタートアップ企業のとのコラボレーションにしても、米国などでは大手企業がパラレル(並列)的に存在して、新たなテクノロジーや商品・サービスが生まれ育つエコシステムができています。ところが日本では「わが社はベンチャー企業と『共創』します」と語る企業は多いものの、実際には「お任せ」で、業界も大手企業も旧態依然として変化はありません。
企業の中にいてもできることはある「変化のスタートの場にしてほしい」
堀内:日本の大手企業が変われない理由はどこにあるのでしょうか。
伊藤:文化的な側面もあるでしょう。これまでの日本の市場では、ゼロから一を生み出すよりも、既存の仕組みを守っているほうがビジネスを維持できたのです。しかし、「VUCAの時代」では、2年先、3年先、あるいは1年先でも経営環境が大きく変化している可能性があります。「うちの業界は足が長いので」などと言っている企業はそのスピードについて行けず淘汰されることになります。