デジタルファースト時代を勝ち抜く "インテリジェントオペレーション"×"デジタル"が切り拓く破壊的創造

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グローバル競争を勝ち抜く業務効率化、そして働き方改革、生産性向上のため、日本企業が取り組むべきデジタルトランスフォーメーションを考察する「Genpact Digital Transformation Forum デジタルファースト時代を勝ち抜く」が2017年11月、東京・千代田区で開かれ、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やAI(人工知能)をはじめとするデジタルテクノロジー活用について、識者や専門家らが語った。
主催:Genpact Japan
協力:東洋経済新報社

開会挨拶

杉浦 英夫
Genpact Japan
代表取締役社長

GEのシェアードサービス部門から2005年にスピンオフしたジェンパクトの杉浦英夫社長は、同社がBPOされた業務の効率化について、低コスト国への移管や継続的な改善を図る従来モデルに、デジタルテクノロジー活用も加わっていることを説明。さらに、顧客企業のRPAやAI導入支援にも幅を広げて「インテリジェントオペレーションへの変革を推進する」と語った。

基調講演
日本企業が目指すべきデジタルイノベーション

平野 正雄
早稲田大学ビジネススクール
教授

早稲田ビジネススクールの平野正雄氏は、米中のデジタルイノベーションの動きを概観して、日本企業の進むべき方向性を示唆した。米国はデジタル時代のイノベーション大国であり、言うまでもなくシリコンバレーはその聖地である。そこではベンチャーキャピタルを中心として、無数の起業家とスタートアップ、大企業などが結び付いて、さまざまな試行錯誤が繰り返される洗練されたエコシステムが形成されていると説明。

一方、今やGDPが日本の2倍以上の規模となり、存在感を増す中国は、ITではもはや先進国家と認識すべきであると言う。そこでは荒削りだが大胆なアイデアに基づく無数の事業化への試みが、ITだけでなく交通、エネルギー、金融など広範な分野で実施されており、米国の洗練に対比してカオス的なエコシステムが発展しているとした。政府もイノベーション大国を目指して政策的に起業家の活動を支援している。

それに対して今でも大企業中心の静的エコシステムになっている日本では大胆な改革が進みにくく、イノベーション力において米中の後塵を拝していることを指摘する。とはいえ、もはや米中両大国に挟まれたニッチ国家であるとの現実を直視して、日本独自の発展を目指すべきであると重要な提言をした。具体的には、素材や部品などのB2B領域やアジアで急増している中間層向けの消費財産業には高い成長力が期待できるとした。

インバウンド観光業を含めてグローバル、特にアジアの成長を自国に取り込むような産業政策や企業の経営努力が重要であることを強調した。「大国意識を捨てて、日本人や日本企業に固有な強みを生かす方向への変革をやりきることで、魅力的な『ニッチ国家』として日本は継続して発展できるはず」と語った。

主催者講演
インテリジェントオペレーションからAIへ、
先進事例が示す破壊的インパクト

サンジェイ・スリバスタバ
Genpact Ltd.
シニア・バイスプレジデント
チーフ・デジタル・オフィサー(CDO)

ジェンパクトのスリバスタバCDOは「デジタルの創造的破壊の動きはAIにより加速する」と述べ、デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む必要を訴えた。今、企業が積極的に導入を進めるRPAは、AI活用に向けた発展の第1段階で、ここでデジタル化されたデータを得て、分析からインサイトを生む第2段階のインテリジェント・オートメーションに移行。さらに第3段階として、データから学び、解決法を生み出すAIを使った自動化へ移行すると予測した。

同社のモジュール型AIプラットフォーム「Genpact Cora」は、この発展段階に応じてAPIによりテクノロジーを自在に追加できる仕組みで、デジタルコア(クラウド、モバイル、ダイナミックワークフロー、RPA)、データ分析(IoT、データエンジニアリング、機械学習、ビジュアル化)、AI(対話、文章理解、画像認識、データサイエンス)の3つの主要分野で最先端テクノロジーをカバー。さらに、把握しにくいデジタルの働きを管理するコマンド&コントロールセンターも搭載。

「ビジネスの理解に基づいてオペレーションモデルをデザインし、データに不適切なバイアスを生じさせないガバナンス、ボードレベルのトップダウンによるチェンジマネジメントがあれば、DXのジャーニーはスムーズに進むはず」と述べた。

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