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「貸会議室」TKPの河野貴輝氏が日本代表に モナコで開かれる世界大会の出場権獲得

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  • EY Japan 制作:東洋経済企画広告制作チーム

2017年11月28日、都内のホテルにてEYアントレプレナー・オブ・ザ・イヤー2017ジャパンのアワードセレモニー&フォーラムが開催された。EYアントレプレナー・オブ・ザ・イヤー(以下、EOY)は1986年に米国で、EYにより創設されたもので、新たな事業領域に挑戦するアントレプレナーの功績、その事業を通じて経済や社会にもたらした貢献を称える国際的な表彰プログラムだ。過去の米国大会にはアマゾンのジェフ・ベゾスやグーグルのサーゲイ・ブリン、ラリー・ペイジらもエントリーしている。

2001年からはモナコ公国モンテカルロで世界大会が開催されるようになり、各国の審査を勝ち抜いた起業家たちが国の代表として集結。”世界一の起業家”を目指して争うこのイベントは、英BBCや米CNNなど、海外主要メディアで取り上げられるほど注目度が高い。

>>>2017年の世界大会の様子はこちらから

新しいビジネスを生み出した
アントレプレナーたちを表彰

EOYの日本大会は2001年から開催され、今年で17回目となる。創業7年以内のスタートアップ企業のアントレプレナーに与えられるチャレンジング・スピリット部門、そして、一定の影響力を有し、さらなる成長が期待される企業のアントレプレナーが対象のアクセラレーティング部門の各大賞受賞者の中から、モナコの世界大会に参加する今年のEOY日本代表が選出される。

今年は、どのアントレプレナーが栄誉ある賞を受けるのか。発表を前に会場では、政官財界関係者、金融関係者ら多くの出席者の熱い眼差しが候補者たちに向けられた。

審査委員は委員長の出井伸之クオンタムリープ代表、昨年のEOYジャパン2016の日本代表である高岡本州エアウィーヴ会長兼社長、谷本有香フォーブス・ジャパン副編集長、半田宗樹三菱UFJキャピタル社長、福本拓也経済産業省経済産業政策局産業資金課長、西澤昭夫日本ベンチャー学会会長らが務めた。

まずはチャレンジング・スピリット部門のファイナリスト6人の表彰が行われた。ここでは、日本で初めて普段着のレンタルに特化したエアークローゼット社長CEOの天沼聰氏、高速ファイル転送ツールを手掛けるユニゾンシステムズ代表の今村勉也氏、流通・小売り向けの業務システムを開発するアストロ数理ホールディングス社長の日下康幸氏、産業用ドローンを開発するプロドローン社長の河野雅一氏、福祉・医療分野でロボティクスファニチャーデザインを提供するI&C代表CEOの佐田幸夫氏、フィンテック企業であるマネーフォワード社長CEOの辻庸介氏が選出された。

続くアクセラレーティング部門で表彰されたのは11人。

日本とアジアで介護サービスを展開するリエイ社長兼会長の椛澤一氏、空間シェアリングビジネスに注力するティーケーピー社長の河野貴輝氏、医薬品開発の受託試験サービスを展開するフェニックスバイオ社長の藏本健二氏、クラウドサービスを手掛けるテラスカイ社長の佐藤秀哉氏、NP後払いという新しい決済サービスを提供するネットプロテクションズ代表CEOの柴田紳氏、馬具の技術を活かした一般皮製品をSPAで展開するソメスサドル社長の染谷昇氏、トレーラーハウス(移動式住居・店舗)を手掛けるカンバーランド・ジャパン代表の原田英世氏、デザイン性の高いプラスティック製パッケージを開発する本多プラス社長の本多孝充氏、損害車リユース事業を展開するタウ社長の宮本明岳氏、オリジナルブランドの鞄、財布の企画・製造・販売を行うキャロットカンパニー代表の吉田剛氏らが選出された。

以上の表彰者の中から、各部門の大賞受賞者が2名ずつ選出されることになる。

部門別受賞者4人のアントレプレナーとは?

張り詰めた緊張感の中、第一段の審査結果が発表された。まずチャレンジング・スピリット部門大賞ではプロドローン社長の河野雅一氏とフィンテック企業であるマネーフォワード社長CEOの辻庸介氏が選ばれた。

河野氏は「私たちは産業用ドローンの会社として、日本から世界一を目指しています。世界トップレベルのドローン開発力をもとに、これからパラダイムシフトを起こしていきたい」と語った。

一方、辻氏は「5年前に創業し、6人のメンバーで個人向けの家計簿アプリからスタートしました。家計の見える化をして、自動的に貯金できるようにするなどお金で悩まない世界をつくっていきたい。将来はすべての人のお金のプラットフォームになり、グローバルで通用する日本のフィンテックのエコシステムをつくっていきたいと思います」と喜びを述べた。

続くアクセラレーティング部門大賞では、空間シェアリングビジネスを展開するティーケーピー社長の河野貴輝氏、デザイン性の高いプラスティック製パッケージを開発する本多プラス社長の本多孝充氏が選出された。河野氏は「当初はひと月の売り上げが50万円、赤字も1億円のときがありました。それが今ではひと月で30億円の売り上げを達成できるようになりました。今年3月に上場しましたが、今後は海外展開を加速させたいと考えています」とうれしさを語った。

また、本多氏も「いつも下請けからの脱却を模索していました。そこからクリエイティブ・パッキング・デザイナーへの道を目指し、現在は250人の従業員で8%の利益率を出せるところまできました。これからも努力を重ねて、新製品開発に邁進していきたいです」と意欲を示した。

JINS・田中仁社長×日本交通・川鍋一朗会長×TKO

今回の授賞式では、各界から多くのキーパーソンたちが訪れ、ネットワーキングランチなども行われた。日頃、なかなか会えない経営者やアントレプレナーたちが一堂に集うことで、貴重な情報交換やビジネス案件のマッチングなど、この大会ならではの賑やかな光景も見られた。また、多くのプログラムも並行して行われ、EY Winning Womenプログラムでは、優れたイノベーション力を発揮したビジネスを展開する女性経営者たちの紹介や、企業成長やデジタル戦略を話し合うセッション、また華道家元である池坊流による生け花体験も行われた。

キーノートスピーチでは、園田学園女子大学人間健康学部教授の荒木香織氏が”チェンジエージェントに必要なマインドセット”をテーマに講演。「リーダーとはチェンジイノベーションを起こす人、つまり、チェンジエージェントです。そして、目標にどう向かっていくのか。その考え方を身に付けることがマインドセットであり、そのためには、新しい経験をすること、習得への情熱、自分で限界を決めないことが必要」だと話した。

続いて、EOYファイナルプレゼンテーションとして各部門受賞者による最終プレゼンが行われた。それに先立って経産大臣政務官である大串正樹氏が「政府としてもシリコンバレーなどと連携できるよう新しい政策を実行し、ベンチャービジネスを盛り上げていく」とエールを送った。プレゼンではチャレンジング・スピリット部門の受賞者であるプロドローン社長の河野雅一氏、マネーフォワード社長CEOの辻庸介氏、アクセラレーティング部門ではティーケーピー社長の河野貴輝氏、本多プラス社長の本多孝充氏が熱いプレゼンを行った。

受賞者たちのプレゼンを受け、審査員たちは別室で審査を開始。その間、JINS社長の田中仁氏、日本交通社長の川鍋一朗氏、東洋経済オンライン編集長の山田俊浩によるパネルディスカッションが開催された。

田中氏は「メガネはかつて国内で最低3万円はしたが、同時期、韓国では3000円で売られていた。メガネもユニクロのような売り方ができるのではないか。そう思ってビジネスを始めた」とメガネ事業に参入したときのきっかけを話し、川鍋氏も「父が亡くなり家業を継いだときは、大きな借金もあり、会社を再生するまで5年かかった」とかつての苦労した経験を語った。ともに2人は今、IT化社会に対応した新しいビジネスをスタートさせており、それぞれチャレンジングな事業を展開中。今注目される経営者たちだけに、参加者も多くの示唆に富んだ話に熱心に耳を傾けた。

起業家自身がいかに社会に貢献しているか

数々のプログラムも終盤に近付き、午後5時から日本代表ほか受賞者らの発表が始まった。審査員らによる厳正なる審査の結果、まず特別賞が発表された。

今年の受賞者はネットプロテクションズ代表CEOの柴田紳氏。柴田氏は「大賞に手が届く期待感もあったが、認められたのはうれしい。自分の会社には期待感を持っている。これからもがんばりたい」と抱負を語った。また今回より新たに設けられた審査員奨励賞とも言えるグローバル・エクスペリエンス・モナコ賞は本多プラス社長の本多孝充氏が受賞。本多氏は「正直、よかったという思いがあります。大賞になったらどうしようと思っていました(笑)。もちろん口惜しい思いもありますが、うれしいです。モナコには25年前バックパッカーで行ったことがあります。一代一事業という言葉があるように、これからも人のやらないことをやっていこうと思います」と意気込みを語った。

そして、EOY日本代表には、ティーケーピー社長の河野貴輝氏が選出されることになった。河野氏が抱負を語る。

「大分から18歳で出てきて、ずっと起業家になりたかった。その資金のために株で1000万円つくろうと思って、大損したこともあります。今年3月に上場してから本当に忙しい日々でした。それをがんばることができたのは、原点に海外に出たいという思いがあったから。リーマンショックのときに本当に米国は元気がないのかと、実際にニューヨークに行ってみると、活気があった。まだまだやれる。そう思ってがんばってきました。今、賞をもらってすごくうれしく思います」

>>>河野氏のインタビューはこちらから

昨年、同大会で日本代表に選ばれたエアウィーヴ高岡氏もエールを送った。

「6月にモナコに行き、素晴らしい経験をしました。グローバルでは2万社の応募があると言います。日の丸の重さも感じ、勝ちたいという気持ちが強くなりました。最終的にはカナダの起業家が受賞しましたが、モナコでの経験が今のビジネスに役に立っています。河野氏には日本の皆さんの努力を背負って、がんばってほしいと思います」

最後に審査委員長の出井伸之氏が大会を次のように総括した。

「この賞はアントレプレナー・スピリットを大事にした賞です。アントレプレナー自身がどのように社会に貢献しているのか。何を変え、どんな未来を目指しているのか。そうしたビジネスをするうえでの考え方や意気込みが非常に重要になってきます。今はあらゆるものが変革されていく、世の中の変わり目の時期です。今後2~3年で新しいイノベーションが起こっていくはずです。新しいスピリットを持ったアントレプレナーも出てくるでしょう。皆さんもこれからのアントレプレナーの活躍にぜひ期待しましょう」

2018年の6月に開かれるモナコのEOY世界大会では、アントレプレナーがもたらす、社会への影響が重視される。世界を率いるアントレプレナーたちには、世の中を「The Better World」にするためのアイデアを生み出すことが求められる。今後、日本のアントレプレナーはこうした世界の要請にどのように応えていくのか。河野氏のモナコでの奮闘にぜひ期待したい。

>>>世界で戦うアントレプレナーに求められるもの