輸入車で大異変、VW「ゴルフ」が初の王座陥落 モデル別首位の座を奪ったのは小型車「MINI」

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2016年の輸入車国内モデル別販売台数で、BMW傘下の「MINI」(写真右)が初めてフォルクスワーゲンの「ゴルフ」(左)を首位から引きずりおろした(写真:Volkswagen、BMW GROUP)

独フォルクスワーゲンの「ゴルフ」といえば、長らく輸入小型車の定番だった。日本自動車輸入組合が1988年にモデル別販売台数の調査を初めて以来、首位を独走してきた。しかし、ついにその王座を明け渡す日が来てしまった。

輸入組合が1月11日に発表した2016年の外国メーカー車モデル別販売台数で、ゴルフが初めて首位から陥落。その座を奪ったのが、独BMW傘下の小型車「MINI(ミニ)」だった。ゴルフが2万2802台の一方、ミニは2万4548台で過去最高の販売台数となった。

MINIが大きく成長した理由

ミニは前年比で16.4%と高い成長を遂げた。BMW日本法人のペーター・クロンシュナーブル社長は好調の理由を「魅力的なラインナップがあったから」と分析する。

今年日本でも発売される新型「MINIクロスオーバー」(写真:BMW GROUP)

BMW傘下で本格的にブランド展開が始まった2002年当初は、3ドアのハッチバックモデルのみだった。だがその後SUVの「ミニ・クロスオーバー」、オープンカーの「ミニ・コンバーチブル」のほか、直近では2014年に5ドアモデル「ミニ5ドア」を、2015年には一回り大きいステーションワゴンのような「ミニ・クラブマン」を発売するなど商品群を広げてきた。「昨年はクラブマンやコンバーチブルが牽引してくれた」(クロンシュナーブル社長)。

今年は、すでに海外で発表されているミニ・クロスオーバーの全面改良車が日本でも発売される。昨年同様の高い成長が期待されるが、「すでに絶対値が高くなっているため同じペースは無理。重要なのは成長を持続させること」とクロンシュナーブル社長は冷静だ。

一方のゴルフ。7代目となる現行モデルは2013年に発売された。人気バンド「サザンオールスターズ」を起用したテレビCMでも大きな話題を集め、2014年には年間の販売台数で過去最高となる3万1410台を記録し、フォルクスワーゲンブランド全体でも過去最高の国内販売台数をたたき出していた。

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