韓国の危機に溜飲を下げている場合ではない 大陸の強大化で日本列島も朝鮮半島も正念場
世界を揺るがせたトランプの米国大統領当選。その衝撃冷めやらぬ間に、筆者が滞在中のソウルでは、3週続けてのデモが行われた。当局発表で1万人、次に4万5000人と拡大。11月12日ではその6倍弱となる26万人。その現場に居合わせ、実見した奇遇を感じながら、この稿を起こしている。
朴槿恵大統領の支持率は、ほぼゼロ
朴槿恵(パククネ)大統領の支持率は、もはやゼロに等しい。ソウルでは友人の誰に聞いても「どうなるかわからない」との答えばかり。事態の帰趨は、日本人にとって、トランプに勝るとも劣らないほど重大なはずである。
韓国は現政権になってから、息つく暇もなく動き回ってきた。北朝鮮の背後に控える中国の強大化が、最大の原因である。同盟国の米国が頼りにならなくなったと見るや、中国の歓心を買うと同時に、米国に警告すべく積極的に手を打った。その目的は、北朝鮮の脅威を緩和する、ということに尽きる。
いたく日本人の顰蹙(ひんしゅく)を買った「告げ口外交」も、日本をターゲットにする「反日」だけにとどまるまい。執拗な日本たたきはむしろ、米中へ向けたメッセージと見るべきだろう。
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