太陽電池は淘汰期を迎えた、中国では7割が生産停止に--施正栄/サンテック・パワーCEO

太陽電池は淘汰期を迎えた、中国では7割が生産停止に--施正栄/サンテック・パワーCEO

創業わずか6年で世界3位(2007年の生産量ベース)に大躍進した太陽電池メーカー、サンテック・パワー(尚徳電力)。日系メーカーを急追する新興勢力の代表格は業界の展望をどう見るのか。施正栄・会長兼CEOに聞いた。

--09年から日本市場に本腰を入れる。

09年中に日本市場でシェア10%を獲得する。建材・住宅のメーカーや建設業者と提携し、全国津々浦々の住宅と発電所に売り込む。原材料のシリコン価格が下落し始めたうえ、自社の生産能力が1ギガワットを超えボリュームメリットを生かせるようになった。日本で魅力的な価格を打ち出す態勢は整った。加えて、日本政府が太陽光発電への補助金導入を決めており、政策環境も非常によい。

--日本以外の市場をどう見ているか。

米国の新政権が打ち出したクリーンエネルギー支援策はパワフルだ。ただ足元の金融危機を考慮すると、米国市場の本格化には10カ月程度かかりそうだ。今年注目という点では米国よりも日本だ。

欧州の実需は依然として旺盛だ。しかし欧州は米国以上に金融危機が痛手。資金調達が難しい。たとえば発電所を建設するプランがあっても、デベロッパーへの銀行融資が滞っている。わが社が現地に輸出する場合も、銀行からの信用状(LC)の発行に非常に時間がかかる。以前なら2日で発行されたものが、現在は最長2カ月もかかるのだ。天候不順もあり、欧州は厳しいといわざるをえない。

--中国はどうか。

政策環境が大きく好転している。科学技術部は今後5年間で、太陽光発電による電力の価格を現状の1度(消費電力の最小単位)2.5元から1.5元に引き下げる大方針を示しており、これから補助金のような支援策が打ち出されるだろう。これまで中国政府にとって太陽光発電は、普及させるにはあまりにコストがかかりすぎ、財政出動を行うには経済合理性に乏しい産業だった。それが08年に進んだ発電効率の改善とシリコン価格の下落により、一気に産業として期待がかけられるようになった。目玉事業は甘粛省敦煌の国策発電所の建設で、当社も入札に参加している。現在当社の年商に占める中国売り上げは1~2%にすぎないが、2年後には少なくとも10%には拡大しているだろう。

--競合企業との競争環境はどうか。

業界全体で見ると今は歴史的な淘汰期にある。中国には無数の太陽電池モジュールメーカーがあるが、その7割方が生産停止中だ。中期的な世界需要は旺盛だが、短期的には欧米への輸出鈍化で供給過剰に陥っている。中期的にはシリコン価格の下落に合わせ、電池の価格を下げられるかどうかがカギだ。現在シリコンの市場価格は1キログラム約150ドルだが、今後2年で3分の1に下落する。この局面で、原材料以外のコスト競争力があるメーカーは積極的に製品価格を下げてくる。シャープや京セラといった日系企業はブランド力と技術力に長けているが、課題があるとすれば価格競争力だろう。

シ・ジェンロン
1963年生まれ。電子工学博士。2001年にサンテック・パワー創業、05年に米ナスダック上場を果たした。

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