東芝、「自己資本比率10%割れ」でどうなるか

株式・金融市場からの資金調達は苦しく

構造改革で今期見込みの最終赤字5500億円などを発表する東芝の室町正志社長

「自己資本が想定以上に悪化している」――。東芝の2016年3月期の見通しを受けて、複数の市場関係者が口を揃えた。

東芝は12月21日、1万0600人の大規模な人員削減を行うことなど、一連の構造改革を発表。その対象は、赤字が続いていたライフスタイル部門(白モノ家電、テレビ、PC)と半導体の一部である。これらの部門で長年に渡り、利益カサ上げが行われ、改革が後手になっていた。

構造改革のメドが立ったことで、東芝はやっとこの時期に、2016年3月期の業績予想を公表。構造改革費用の計上や繰延税金資産の取り崩しによって、最終損失は前期の378億円の赤字から、今期は5500億円の赤字へと沈む見込みだ。これは過去最大の赤字額となる。

公募増資できず、格付けも「投機的」

当期純損失が膨らんだことで、今期末の自己資本は大きく毀損する。1兆円を大きく割り込み、4300億円になる見通しだ。自己資本比率も10%以下に落ち込む。東芝の平田政善CFOは、「電機メーカーは30%ないと標準的ではない」と、自社が厳しい状況であるとの認識を示した。

が、自己資本を増強する手段は、限られている。東芝は現在、特別注意市場銘柄に指定されており、市場からの公募増資が難しい。

一方、12月22日には東芝について、ムーディーズ・ジャパンがシニア無担保債務格付けを「Baa3」から「Ba2」に、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が長期会社格付けを「BBBマイナス」から「BBプラス」へと、いずれも引き下げた。今や東芝は、投資対象に適さない投機的(ジャンク)水準に転落、両社はさらなる格下げもあるとしている。引き下げの理由について、S&Pの柴田宏樹・主席アナリストは、「社会インフラやNAND型フラッシュメモリの採算悪化、構造改革費用が想定以上に大きかった」と説明する。

次ページWHが再減損なら危機的水準か
関連記事
Topic Board トピックボード
人気連載
Trend Library トレンドライブラリー
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

Access Ranking
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!

※過去48時間以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※週間いいね数のランキングです。

トレンドウォッチ
行き詰まる東電支援<br>原発最後の選択

賠償費用も廃炉費用も想定から大きく上振れし、東電支援スキームは破綻の瀬戸際。東電の発電所を売却し、その代金を賠償や廃炉費用に充て、東電を送配電会社に再編する構想が浮上。