ウーバー運転手のかなり曖昧な「雇用形態」

米国で台頭する「ギグ・エコノミー」の代償

配車サービスのウーバーやリフトなど、オンデマンドサービスを提供する企業で働く人々の雇用形態は非常にあいまいだ(写真:Dolly Faibyshev/The New York Times)

オンデマンドのフードデリバリーを展開するマンチェリー(Munchery)は、サービス開始から2年ほどは、ドライバーを「独立契約者」として扱っていた。彼らは最低賃金や時間外労働に対する法的な保護も受けず、失業保険や労災補償も適用されなかった。

2013年、同社は方針を転換し、ドライバーを社員として雇用した。上記のようなさまざまな保障に加え、週30時間以上勤務していれば、医療給付を受けることも可能になった。

これは、マンチェリーだけでなく配車サービスのウーバーやリフトなど、オンデマンドサービスを提供する企業で働く人々の雇用形態がいかにあいまいかを示している。彼らは、典型的な自営業者の性格(自分が好きなだけ働くなど)と、一般的な会社員の性格(雇用主が業務のやり方を指示するなど)のどちらも持っている。

そして今、IT企業幹部や政界関係者から、このふたつを足して2で割ったような新しい雇用形態を求める動きが出ている。

バラク・オバマ大統領の大統領経済諮問委員会委員長を務めたアラン・クルーガーと元労働長官のセス・ハリスは、いわゆる「オンライン・ギグ・エコノミー」(インターネットを介して仕事を受発注する非正規労働によって成り立つ経済)の労働者の多くは現状よりも権利と保護が確保されるべきだと、先日公表した文書で主張している。同時に、「こうした新しい労働のスタイルを従来の雇用関係に当てはめようとすれば、ネットを介した労働の存続を脅かしかねない」とも指摘した。

初期費用は抑えられても

しかし、マンチェリーのケースからわかるのは、労働関係の法律における「社員か自営業か」という従来の分け方が、この新興分野においてまだ機能するということだ。雇用形態のあいまいさを生んでいる真の原因は、企業側が自分たちのビジネスにとってふさわしいモデルをわかっていないからだ。

マンチェリーは、ドライバーを独立契約者としたことで初期費用は低く抑えることができたが、ビジネスにとっては完全にマイナスだった。

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