「ビッグデータ」でさらに進化するO2Oの世界《O2Oビジネス最前線・黎明期を迎えた新・消費革命》

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「Data is the new oil.(データは新しい石油だ)」

 現在、米国のメディアで流行している言葉だ。20世紀の産業経済における「石油」のように、21世紀のデジタル経済において、「データ」が富の源泉となる可能性を秘めていると言われる。

O2O(オンライン・ツー・オフライン)ビジネスの今後を語るとき重要になってくるのが、「超巨大データ」。すなわち「ビッグデータ(Big Data)」を、各プレーヤーがいかに手に入れ、活用できるかだ。

2011年以降、IT業界での重要なキーワードとしてつねに「ビッグデータ」が挙がる。Amazon 、Googleといった米大手ネット企業が先行して取り組み、自社の利益に変えてきた。今、国内の大手リアル企業もビッグデータの秘める価値に注目し、活用に乗り出した。

O2Oのプレーヤーでは、Yahoo! JAPAN、Googleのようなネット企業はもちろんのこと、ローソン、CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)、東京急行電鉄といったリアル企業、そしてソフトバンクやKDDIなどの通信キャリア企業がある。そして、すべてのプレーヤーにとって、ビッグデータの活用が共通の課題となっている。

ネットの検索履歴や閲覧履歴、ソーシャルメディアなどに投稿するコメントや写真、リアルの位置情報や行動履歴、そしてリアル店舗への来店履歴や購買情報。こうした生活や人生のデータ(ライフログ)は、ギガやテラの上の単位であるペタクラスの膨大なデータになっている。

多種多様な大規模データを収集・分析して自社の商品・サービスの向上に生かし、顧客満足度を上げる。いかに、自社の競争力の強化につなげ、最終的に利益につなげることができるか。こうしたビッグデータの活用は、今後はネットとリアルの融合したO2Oの世界にも決定的に重大な意味を持つ。

ネット企業の取り組み

O2Oの各プレーヤーにとってビッグデータはどんな価値となりうるのか。

まずは、Google、Yahoo! JAPAN、Facebookのようなネット企業。

O2Oで担う主な役割は、顧客にネット上でリアルの情報を認知してもらい、店舗へ送客する部分だ。

リアル店舗での決済サービスの提供も考えられる。

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