2016年が5年ぶりの円高ドル安になる理由

実質実効相場でみれば今がそのとき

初回の利上げ後の正常化プロセスはいかに?(写真は12月2日、AP/アフロ)

過去2年以上にわたって相場のテーマであった米国の初回利上げのタイミングに関しては12月15~16日のFOMC(連邦公開市場委員会)ということで決着がつきそうである。2016年のドル円相場見通しを作る上では新しい手がかりや新しい視点が必要な局面に入る。

2016年を見通すにあたっては、例えば、一歩引いて「実質実効為替相場」(REER)などから現状の立ち位置を確認することも有益なヒントになろう。ドル円相場は2015年通年で見ると、値幅が変動為替相場制移行後の最小レンジに収まる展開となっており、全体として方向感に欠ける地合いが続いたという印象が強い。しかし、ドル相場、円相場をREERで見た場合、ドル高、円安ともにかなり一方的な展開が続いて、現在の水準に至った状況も見えてくる。

現在は歴史的にもまれなドル急騰局面

例えば、FRB(米国連邦準備制度理事会)公表のREERで見た場合、ドルは「孤高の正常化」により世界の運用難となった資金が集中した結果、2014年6月以降の約1年半で15%程度上昇している。ラフなイメージだが、1年で10%ポイント程度の上昇ペースであり、過去のドル高局面と比べても性急である。

かつて米国は、ルービン米財務長官の「強いドルは国益」との掛け声の下で、通貨政策がドル高を志向した。より具体的に見れば、同氏が財務長官に就任した1995年から、いったんは1998年に黒字化した米財政収支が再度赤字化する2002年までの約7年間に関し、ドルのREERは30%程度も上昇した。通期で見れば、1年で概ね4%ポイントの上昇である。

また、それ以前にはカーター政権によるドル防衛策(ドル買い協調介入、公定歩合や預金準備率引き上げなど)やボルカー元FRB議長による連続利上げに加え、イラン革命や旧ソ連のアフガン侵攻など「有事のドル買い」も重なってドル相場が急騰するという時代もあった。結局、このドル高は1985年のプラザ合意で終止符が打たれることになるが、1978~1985年の約7年間でドルのREERは約21%上昇した。通期で見れば、1年で3%ポイント程度の上昇である。

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