「過度な安静」ほど、健康を害するものはない 初期症状が治まったら、むしろ動き回るべし

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このように、日常生活で体を動かすことは非常に大切ですが、もう一歩踏み出して、健康増進のための「運動習慣」を身につけてほしいものです。

私の外来を受診された患者さんに運動を勧めると、「家事でくたびれ果てますから」「孫の世話でクタクタ」「犬の散歩をしているので、それで十分」などと言い訳をする人が多いのですが、家事や犬の散歩でくたびれることと、健康のために運動することとは、まったく別物です。

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では、どんな運動が「健康増進」になるのでしょう? 数々の学術調査が示しているのは、「汗をかき、脈拍数が少し上がるぐらいのきつさが必要」ということです。ぶらぶらと散歩をするだけでは、この条件を満たしませんし、家事や犬の散歩も同じことです。

ジョギングや早足でのウォーキング、水泳などは健康増進の定番ですが、種目は問いません。ダンベル運動も手軽にできるのでお勧めです。ビール瓶や水を入れたペットボトルでもかまいませんが、モチベーションを高めるために、おカネを出して買ってみるのもいいかもしれません。

男性なら5キロぐらい、女性なら2キロぐらいのものから始めるとちょうどいいでしょう。安全で、さまざまな動作を自分で工夫できることがダンベル運動の利点。飽きることなく、長続きしている人が多いようです。

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岡田 正彦 新潟大学名誉教授、医学博士

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おかだ まさひこ / Masahiko Okada

新潟大学名誉教授、医学博士。現・水野介護老人保健施設長。1946年京都府に生まれる。1972年新潟大学医学部卒業、1990年より同大学医学部教授。1981年新潟日報文化賞、2001年臨床病理学研究振興基金「小酒井望賞」を受賞。専門は予防医療学、長寿科学。『人はなぜ太るのか-肥満を科学する』(岩波新書)など著書多数。

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