戦略とマーケティングのレベルを上げる!
市場・事業データをインテリジェンスに活かす機械学習
主催:東洋経済新報社
特別協賛:日本マイクロソフト
【基調講演】
直感とビッグデータによる意思決定
~インダストリ4.0時代におけるビッグデータ経営~
PwCの勝山公雄氏は、データ分析を活用した意思決定の迅速化・高度化という企業経営の流れを指摘。ビッグデータをうまく活用するには「型を学んで自分たちにあったやり方を作り上げることが大切」と述べた。型として、現状を理解して投資効果などの価値(V:Value)を創造、業務プロセス(P : Process)に分析を組み込む、データ分析チームの組織(O:Organization)づくり、テクノロジー(T:Technology)の導入の4要素で構成されるVPOTフレームワークを紹介。ハードルが高いと見られがちなビッグデータ分析について、最初から十分なデータをそろえ、高度な分析を目指すのではなく「今あるデータと、可能な分析手法を試すところから始めればいいでしょう」と語り、インダストリー4.0で注目されるIoT(モノのインターネット)が広げるビッグデータを活用した経営スタイルの可能性を訴えた。
【特別協賛講演】
Microsoftのビッグデータ民主化に向けた取り組み
マイクロソフトが整備する世界最大規模のクラウドインフラ「Azure(アジュール)」は、多様なプラットフォームサービスの充実度で競争優位を築いている。中でも約25年にわたり取り組んできた、データから将来予測する機械学習や、画像・音声・テキストを認識する深層学習(ディープラーニング)のテクノロジーで先行。クラウド上で提供する分析ツール「マシンラーニング」では、ユーザーはあらかじめ備わっている最新分析アルゴリズムを使って、より容易にモデルを構築できるようにした。さらに2015年9月には、深層学習も含めたビッグデータ分析パッケージ「コルタナ・アナリティクス・スイート」をリリース。同社の大谷健氏は「専門家が必要だった機械学習の技術的、経済的な障壁を下げ、ビッグデータの民主化につながります」と、その意義を強調した。
【事例講演Ⅰ】
過去300事例から学ぶ、
成果にフォーカスしたビッグデータ活用
~データ活用のPDCA促進のポイント~
データ分析から有用なパターンを発見するデータマイニング(分析)のソリューションを提供するアイズファクトリーの筒井直人氏は、ビジネス理解・データ理解・データ準備・モデル構築・評価・展開の六つのフェーズを定めた「CRISP-DM」と呼ばれるデータマイニング・プロジェクトのプロセスモデルを紹介。「手元にあるデータで何ができるかではなく、まずビジネスの理解から始め、売り上げアップ・顧客増のために、ダイレクトメールの効率を上げるといった目標を明確にすべき」と指摘した。また、従来は専門家と高度なツールが必要だったデータ準備・モデル構築に対して、同社は、データのオートクレンジング機能などを搭載した解析プラットフォーム「bodais」を提供。「解析作業の敷居が下がり、気軽にデータ活用を始められるようになりました」と語った。