「油抜き」「野菜だけ」ダイエットがダメな理由 油を上手にとって健康的な美ボディに!

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油の成分には、体内で合成できずに食事からとならければならない「必須脂肪酸」がある。必須脂肪酸は「オメガ3」と「オメガ6」の2つで、「オメガ3」は、青魚、亜麻仁油、えごま油などにたっぷり含まれ、ほうれん草などの野菜、白いんげんなどの豆類にも含まれる。「オメガ6」はサラダ油などの植物油などに多く含まれている。野菜中心のダイエットでは、「オメガ3」を少しは取り込めるが、その量は十分とはなりにくい。さらに、油抜きで揚げ物や炒めものなどを控えると、「オメガ6」も取り込めず、必須脂肪酸が足りない状態になってしまう。

「野菜だけでは栄養が偏り、組織を維持できず、エネルギーも不足します。ただし、『オメガ6』はとりすぎると、体内で炎症を起こし、ぜんそくなどのアレルギーの病気や関節リウマチなどの自己免疫疾患、大腸がんなどに結びつきます。『オメガ6』の炎症は『オメガ3』が抑えてくれます。必須脂肪酸をバランスよく食べることが、健康的なダイエットにつながるのです」(同)

炭水化物を控え意識的にオメガ3をとる

炭水化物の代わりに油を増やすポイントは、「オメガ3」と「オメガ6」の割合を「1対1」にするのが理想という。しかし、厚生労働省の「平成25年国民健康・栄養調査結果」を見ると、1日の栄養素等摂取量では、「オメガ6」が9.28グラムに対し、「オメガ3」は2.17グラムと少ない。

「油を控えるのではなく、意識的にオメガ3を増やすことがとても重要です。カロリーを気にする必要はありません。炭水化物を控えてオメガ3をとりましょう」

こうアドバイスする白澤医師によれば、オメガ3の主な増やし方は次のとおり。

(1)サバやアジなどの青魚をたくさん食べる。サーモンもお勧め
(2)ひとつの食材に偏ることなく、いろいろな野菜や豆類なども食べる
(3)炒めものをするときに、オリーブオイルの「オメガ9」を活用して、植物油の「オメガ6」を減らす。

 「オメガ9は体内でも合成できる油ですが、熱しても酸化しにくいため、炒めものなどではオリーブオイルを使用するといいのです。オメガ6をオメガ9に置き換えれば、とりすぎを防げます。また、炭水化物は、食後の血糖値の乱高下により強い食欲にもつながるため、まずは、炭水化物を控えて、油を見直してみてください」(同)

脳は、炭水化物が分解されたブドウ糖をエネルギー源としていると一般的にいわれる。だが、脳はもうひとつ、油によって体内で作られるケトン体という成分も、エネルギー源として利用できるそうだ。

「私は以前からココナッツオイルを食べたときに体内で生じるケトン体が、健康やダイエットに役立つことを啓蒙しています。朝食では、炭水化物を抜いて、野菜のスムージーにココナッツオイルを大さじ1杯加え、卵2個を用いてオリーブオイルで作ったオムレツを食べるといった方法です。脳がケトン体を効率よく使うことができるうえに、強い食欲も抑えられるためにスムーズな減量も可能です。油を上手に活用しましょう」と白澤医師は話す。油ダイエットで、健康的な美ボディを手に入れてみてはいかがだろうか。

安達 純子 医療ジャーナリスト

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あだち じゅんこ / Junko Adachi

東京生まれ。医療ジャーナリスト。医学ジャーナリスト協会会員。大手企業のOLから転身。フリーランスの雑誌記者としてさまざまなジャンルの取材を行う中で、病気の発生メカニズムに興味を持ち、医療関係の記事の執筆に比重を置くようになった。現在は、先進医療といった最新の医療状況をはじめ、免疫疾患や感染症などに強い関心を持つ一方で、生活習慣病といった身近な病気を対象とした記事を数多く新聞等で連載中。身体に個人差がある中で、その人にとっての健康とはなにか。病気の仕組みはどこまで解明できるのか。また、未知の病気の正体はどこにあるのかなどをテーマに現在取材を進めている。

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