大事なことは、何を学習するか Z会の通信教育が選ばれる理由

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幼児教育の教材開発を担当しているZ会幼小事業部指導課課長補佐の鈴木貴子氏は、こうした早期教育の関心の高まりについて、次のように解説する。

「早期教育については、お子さんの教育に熱心というよりは、むしろ、責任を感じている保護者の方が多いように感じます。幼稚園などでは、小学校以上の教科書のように、この時期にこういう勉強をします、と明確に保護者の方にわかるものがなく、『今この時期に何をやっていればいいのか』『入学前に何ができなければいけないのか』という問い合わせが多く寄せられます。お子さんが周りのお子さんからおくれをとらないように、『これができていなければならない』『これをしっかり教えないといけない』といったプレッシャーを感じている保護者の方が多くいるのです」

実際、Z会の幼児コース年長会員アンケートでも、公立、私立関係なく「小学校への入学準備ができる」という受講理由が最も多くなっているという。

Z会が重視する「あと伸び力」

Z会といえば、難易度の高い受験勉強を重視したイメージを持つ方も多いだろうが、幼児向けコースの通信教育では、その様相は少し異なってくる。

「早期教育と言うと、1年先の学習、いわゆる先取り学習をイメージされる方もいらっしゃいますが、この時期に大切なのは、先取り学習で人より何かが早くできるようになることではありません。大切なのは発達段階に応じた学びで、『できるって楽しい』と子どもが感じられ、自分に自信が持てること。だから、Z会幼児コースではむやみな先取りはしません」

Z会幼児コースでは、「あと伸び力」というコンセプトを中心に考えている。後々、さまざまなことを学習していく際、自分でいろいろなことに興味を持って学ぶ力、自ら進んで学ぶ力を養うことを主眼に置いているのだ。

「あと伸び力」を養うため、Z会では教材にも工夫をこらしている。幼児向けコースで提供されている「体験型教材」がそれだ。Z会の体験型教材では、実際に手を動かし、外に出て学習することで、頭だけではない本当の理解を促している。

「幼児~小2くらいまでの時期は、発達段階的には具体的なものに触ってさまざまなことを学んでいく時期。Z会では体験型教材を通して、実際に体験をしながら興味を広げ、『なぜ』と考える姿勢を育てたいと考えています。工作ではテーマだけを与え、マニュアルはつくらず、正解も与えません。今手元にある材料で自由につくって、目と手で五感をフル活用し遊びながら考える力をつけるなど、将来の学びにつながるような工夫をしています。

体験型教材は幼児コースだけでなく、小学校1~2年の教材にもありますが、子どもの発達段階に応じて学年により少しずつ内容を変化させています。幼児は基本的に自分が楽しいと思うことしかやりたがらないので、どうしても体験が偏りがち。でも、小学校で本格的な教科学習が始まる前に多彩な経験を積み、興味を広げておくことは大切です。そのため、幼児コースでは子どもが自然と体験課題をやりたくなるように、遊びの要素を入れつつ、1つの体験の内容は軽めにして、できるだけいろんな体験をする、ということを重視しています。小1・小2については、小3からの理科・社会につながる内容の体験をしますが、幼児コースと比べ、1つの体験をじっくり深めていくものになります。経験を振り返るために、体験した内容を1年生は絵で、2年生は絵と文でまとめてもらうということもします。

また、Z会幼児コースにはワーク型の教材もありますが、たとえば足し算の考え方を学習する場合に、いきなり4+2=6のような問題は出しません。最初は『あわせていくつ』『ふえるといくつ』が視覚的に理解しやすいイラストを使い、足し算の場面について学習します。これは機械的に計算の仕方を学習して単に計算の答えが出せるようになることが目的なのではなく、足し算を『使える』ようになることが大事だと考えているから。小1の文章題で足し算と引き算のどちらを使うのかわからない、という相談がありますが、『場面の理解』が十分できていれば、小1の文章題でつまずくことはまずありません。小学生コースのアンケートを見ると、『考える力を養うため』という受講目的が上位にきますが、幼児期から本質を理解すること、『考える力』を養っておくことは重要なのです」

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