できる人が実践する「トヨタ流」段取り術 「そわそわ」待つ時間に改善のネタがある

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オフィスであれば、営業担当が必要なデータを提出してくれないために、企画部門がデータ分析や戦略立案作業に着手できないというケース。自分にはどうすることもできずに締め切りが近づいてくる中、「もっと早く依頼しておけばよかった」と後悔の念を抱きつつイライラ・ソワソワしつつ待った経験がある方もいるかもしれません。

「手待ちのムダ」は生産現場でも存在しますが、生産現場よりも人による仕事が多いオフィスの方が、より多く発生しています。

「手待ちのムダ」をなくす2つのステップ

仕事の仕上がりを大きく左右する「手待ちのムダ」をなくすには、大きく2つのステップがあります。

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1つ目のステップは、仕事の依頼相手のリードタイムの確認です。たとえば先ほどの件であれば、データ集計に必要な時間を営業担当に確認し、そのリードタイムを皆さん自身のスケジュールに事前に組み込んでおくのです。その際、その仕事を依頼するおおよその時期まで相手に伝えて心構えをしておいてもらえれば、実際に仕事を依頼した際にも予定どおりに完成してもらえる可能性が高まります。

2つ目のステップでは、自分のスケジュール全体を俯瞰して、ほかの業務とあわせてパズルのように予定を組んでいきます。

先ほど、複数業務を担当していることは手待ちのムダの観点では強みになるとお話ししました。極端な話ですが、1種類の業務しか担当していなければ、誰かに依頼した仕事が完成する間は完全な待ち時間=「手待ちのムダ」になります。しかし、複数の業務を担当していれば、その時間をほかの業務に充てることができるのです。

さて、このようにスケジュールを組んでいく際に、全体のリードタイムが長い業務に早めに着手することで隙間時間を有効に使うことができ、締め切りが迫っている業務に早めに着手することで納期遅れを防ぎます。

また、会議の合間や定時までの15分など、想定外に生まれた隙間時間も有効活用するために、緊急性がなく短時間でできる仕事をいくつか準備しておくと効果的です。

次ページ「7つのムダ」の3つ目とは?
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