転職サイトが調査した転職活動を行うきっかけに登場する上位は「給料に不満」「労働環境に不満」「会社の倒産、リストラ、契約期間の満了」などネガティブな要因が大半を占めます。特にリーマンショックの影響のあった2008年あたりは顕著でした。
「転職したくてするのではなく、せざるをえない状況に追い込まれてしまいました」と語ってくれたのはSさん(35)。リーマンショックの時期には国内系の中堅証券会社に勤務。業績が劇的に下がって希望退職が募られました。
「どうせ、対象者は40代からだろう」と思っていたら大間違い。「残っても給料は上がらないよ」と希望を持てない話を人事からされて、退職を決意。現在はネットベンチャーの経理部門に勤務しています。
では、最近の転職事情はどうなのでしょうか? 相変わらずネガティブな要因で転職する人はいますが、それに加えて増えているのが職場での人間関係がうまくいかないこと。さらに言えば上司の評価が低いこと。
さて、職場の上司は自分にとって永遠の上司ではありません。人事異動で替わっていくもの、ところが1人の上司が「あいつはダメだ」と烙印を押すと、そのダメの印象が引き継がれ「誰が上司になっても、過去のダメな印象を継承されてしまう」マイナスのスパイラルに陥る傾向があります。
「あいつは上司に対してかみつく生意気なやつ」とささいないさかいを大きく膨らませて、次の上司に引き継ぐ(語り継ぐ)人がいます。これは困りもの。もっと人材育成の観点で「少々生意気なところがあるが、仕事にはまじめなやつですよ」と愛情を感じるコメントで期待を持たせる情報も伝えてほしいもの。
でも、残念ながら上司も人間。悪い印象を持ったことは忘れない性分だったりするから怖いですね。ちなみに上司だけでなく同僚だって同じ。
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