フィリピンに渡った「丸ノ内線車両」の意外な役目 現役当時そのまま、2両の「02系」今どこにある?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
丸ノ内線02系 FEATI大学
フィリピンのFEATI大学に無償譲渡された東京メトロ丸ノ内線の02系車両と学生ら(筆者撮影)

東京メトロ丸ノ内線の先代車両、02系。2018年から後継の2000系へ置き換えが進み、2024年12月までに全車が引退した。さらに1世代前の500形は多くがアルゼンチンに譲渡されて今もなお一部が現役であるのとは対照的に、ほぼすべてが解体への道をたどった。

そんな中、02系の151号車、251号車の2両は2020年2月にフィリピンのFEATI(フェアティ)大学に無償譲渡された。02系を譲り受けたFEATI大学とは、どんな大学なのか、そして東京メトロとどのような関係性が続いているのか。

「鉄道工学科」のある大学に

FEATI大学はフィリピンの首都・マニラ首都圏にある私立大学で、工学部、海洋教育学部、経営学部、建築学部の4学部、15学科からなる。学生数は約600人と規模は小さいが、特色のある大学である。

【写真】車内の中づり広告も現役時代そのまま。なかなか見られない、フィリピンの大学に渡った東京メトロ丸ノ内線02系の現在の姿

当初は航空専門学校として1946年に創立し、現在でも工学部のカリキュラムは実習に重点が置かれている。最大の学科は航空学科であることには変わりなく、校舎最上階には教材として、小型航空機やプロペラエンジン、その他さまざまなパーツがずらりと並んでいる。

工学部だけで9学科があり、そのうちの一つが鉄道工学科だ。2021年に工学部内の鉄道コースとして設置され、2024年にフィリピン教育省から学科認定を受けた。現在、36人の学生が在籍しており、今年の9月に第1期の卒業生を輩出することになる。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事