実は簡単だった!「トップ営業マンの育て方」 わずか3カ月で成績最下位から大躍進!?
ある「ダメ営業マン」の1日
機械メーカーの営業所で働くAさん。入社3年目を迎え、そろそろ新人営業マンという立場を卒業すべき時期に来ている。しかし彼には大きな悩みがあった。それは、毎月の営業成績が営業所の中で常に最下位であることだった。
営業という仕事は嫌いではない。サボっているわけでもない。それなりに努力しているつもりだ。それでも成績がついて来ない。Aさんはいつしか「ダメ営業マン」の烙印を押されてしまった。上長からは毎日のようにハッパをかけられるものの、どうすればよいかわからない。好成績を上げている先輩や同僚に相談しても、ヒントになる話をなかなか聞けない。もともと器用ではないAさん、いつしか「いまの仕事が自分に向いていないのでは」と考えるようになっていた。
ある日のこと、そんなAさんの姿を見兼ねた営業所長が、成績を上向かせる何かのきっかけにでもなればと、営業マン向けセミナーへの参加を勧めてくれた。そのセミナーで出会ったのが、講師を務めていたソフトブレーンの長田順三氏。さまざまな業種・業界の営業課題を解決してきた、営業コンサルティングに関して豊富な経験を持つ人物だ。セミナー後、Aさんは意を決し、長田氏に相談してみた。
まず、Aさんは毎日の自分の行動を説明した。
「お客様先に訪問したら、まず会社案内を出して自社の事業内容をお話しし、次にカタログや提案資料を出して商品説明をします。それだけでは足りないと思うので、他社で成約した実績や事例なども紹介しています。そのあとに『いかがでしょうか?』と尋ねると、ほとんどのお客様が『検討します』とお答えいただけます。けれども、その後の商談にはなかなか結びつかなくて・・・。上長から言われたとおり、1日3件のお客様をきちんと訪問しているのに、なぜか目標が達成できないんです」
“3打席ノーヒット”では結果が出ない
Aさんの話に黙って耳を傾けていた長田氏。ひと通り話を聞いたあとに一言。
「なぜ1日3件訪問しているのに目標達成できないのか。それは『1日3件のお客様を回りなさい』という指示が理にかなっていないからです」
戸惑うAさん。どういうことなのだろう。新人時代、トレーナーとしてついてくれた先輩営業マンも、同じようにしているはずなのに。
「どういうことでしょうか?」
長田氏はAさんを諭すように話し始めた。
「『1日3件のお客様を回りなさい』という指示は、野球にたとえてみると『3回打席に立ちなさい』と言っているのにすぎません。3打席立ったとしてもノーヒットのバッターばかりでは得点が入らず、試合に負けてしまいます。そこで3打席のうち最低でも1本はヒットを打つ、つまり3割バッターを目指すわけです。ヒットを打つには相手投手を研究したり、苦手な変化球を打つ練習をしたりする必要があります。営業も同じです。試合に勝つ、つまり受注を取るためには、営業プロセスをじっくり見直して、顧客を研究したり、苦手分野を克服したりします。このように目標達成のために“PDCA”を回していくということが必要なのです」
社会人の常識として「PDCA」という言葉は知っている。Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(検証)→ Action(改善)の4段階を繰り返しながら継続的に業務を改善する手法のことだ。
長田氏の話は続く。
「営業の成績を良くするには何をやるべきなのか。それは『G-PDCA』を回すことです」
長田氏によれば、「G-PDCA」を継続して実践すれば、おのずと営業成績は上向いていくという。Aさんが長田氏の具体的なアドバイスに従って行動した結果、わずか3カ月という短期間のうちに成績最下位から上位へと躍進を果たすことになったという。
営業を強くする「G-PDCA」とは、いったい何なのか?
企業が知っておくべき「G-PDCA」のポイントはこれだ!
▲Aさんを「ダメな営業マン」から「トップ営業マン」に導いた秘訣を大公開
▲「G」+「PDCA(Plan→Do→Check→Action)」が示唆する5つの行動
▲まずはゴールからプランに落とし込む「セルフマネジメント」が重要
▲残り「4つのポイント」とは?