アパレル高級ブランド窮余の策、乱立する低価格コラボ企画

ファストファッションのH&Mは11月19日、イタリアの高級ブランド「ヴェルサーチ」とのコラボレーション商品を発売した。価格は、ワンピースが2万4990円、メンズジャケットが1万4990円。ヴェルサーチブランドであれば10万円は下らないデザインの商品が格安で手に入るとあって、全世界のH&Mに客が殺到。日本の銀座店は開店前から160名が列を成したほか、英国では買い物時間を1人10分に限定せざるをえないほどで、1日で完売する店も続出した。

陰るブランド訴求力 客の高齢化に焦り

H&Mと高級ブランドとのコラボは2004年にスタートして以来、今回で八度目。これまでも「ランバン」や「コム・デ・ギャルソン」など高級ブランドとのコラボを行ってきた。「それぞれのブランドファンの来客があり、大盛況」とH&Mはコラボの成果を強調する。同社の成功を受け、GAPやユニクロなどのファストファションを中心に高級ブランドや著名デザイナーと組む低価格小売りが増えている。

コラボは高級ブランドにもメリットがある。組んだ相手から企画料や売り上げ歩合の報酬が得られるだけでなく、これまでなじみの薄かった客層における認知度を高める効果が期待できる。都市部など店舗網が限られる高級ブランドにとって、ファストファッションが持つ数百~1000以上の店は、絶好の広告の場だ。業界内では「雑誌やテレビなどで下手なイメージ広告を打つより効果がある」(国内大手アパレル企業)という声もある。

また、コラボ商品は専用の売り場が設けられるなど、店内で特別扱いされることから、高級品のブランドイメージが崩れることをある程度抑えることができる。加えて、「ファストファッションと名前を連ねることで、品質が少し劣っても、それがそのまま自社ブランドの品質が低下したと消費者にとらえられることは少ない」(前出の大手アパレル企業)という。

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