2015年の一般入試志願者数トップに立ったのは、2年連続で近畿大学だった。前年比7814人、7・4%増で11万3704人に上った。10年前の05年に比べると97・4%増、ほぼ倍増していることがわかる。少子化が進む中で、この志願者増を支えているのが、大学改革力と広報力の高さだ。
近畿大学は昨年から完全ネット出願へ
近畿大は昨年から出願すべてをネットで行うという完全ネット出願を始めた。紙を使わない「エコ出願」とPR。紙での出願を求める問い合わせはほとんどなかったという。また受験料を1出願当たり3000円値引きし、人気を集めた。完全ネット出願は広がりを見せており、大学通信の調べでは、昨年4大学から今年は上智大学や成城大学など28大学と増加傾向にある。
近畿大の改革は入試だけにとどまらない。来年には国際学部(仮称)の新設を構想中だ。キャンパス整備を積極的に進め、蛮カラなイメージだった大学に女子が増えたことも志願者日本一の要因だ。研究でもクロマグロの完全養殖に成功、東京や大阪にクロマグロのレストランを開き、人気店になっている。改革成果に加え、それを伝える広報力の高さが、近畿大の強みとなっている。
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