給食の牛乳からセシウム、説明を怠る明治と町田市
東京・町田市の学校給食で出されていた牛乳に、放射性物質セシウムが混入していることが判明した。小中学生の子どもの保護者や市民に衝撃が広がっている。
セシウムが検出されたのは9月6日。保護者からの強い要望を受けて、町田市の吉田つとむ市議(市議会副議長、志政クラブ所属)が専門検査機関の放射能汚染食品測定室に学校給食で提供された牛乳の検査を委託。すると、セシウム134と同137合計で6ベクレル/キログラムが検出された。
セシウムは体内に取り込まれると全身の臓器に蓄積される。子どもは大人と比べて、甲状腺や心筋、脳、腎臓、小腸などに蓄積される量が多いことがチェルノブイリ原発事故の高濃度汚染地域で死亡した住民に関する調査で明らかになっている。
事態を深刻に受け止めた吉田市議は、牛乳を製造していた明治(旧明治乳業)に質問状を送付。検出された原因や含有量ゼロを目指す考えの有無などを問いただした。しかし、同社から送られてきた回答書では、「(集荷地域にある)各自治体等の調査結果において、放射性物質は暫定規制値を大きく下回り安定しております。したがいまして、生乳の安全性は確保できているものと判断しております」との記述にとどまり、セシウム混入の原因や今後の対応策についてはまったく説明がなかった。
沈黙を続ける明治 町田市はひとごと
吉田市議は語る。「明治は質問にきちんと答えていない。理解しがたいのは、自主的に放射性物質の検査を開始したと回答文に書いている一方で、『この検査は任意に行っているものであり、具体的な検査結果については公表をいたしておりません』と述べていることだ。これでは安全かどうか確かめようもない」。