ロッテの「お家騒動」がこんなにコジレるワケ

日韓を股に掛けた兄弟間闘争は第2幕へ

ロッテの創業者である重光武雄(韓国名・辛格浩)氏。同社の"お家騒動"は新たな展開を迎えている(写真:Yonhap/アフロ)

日韓を股に掛けた“お家騒動”は、一向に終息する気配を見せていない。日本でも馴染みの深い、ロッテグループの経営権をめぐる争いのことだ。

今年1月に日本ロッテホールディングス(HD)グループ副会長を解任された重光宏之(韓国名・辛東主)氏が7月27日、創業者である父の重光武雄(同・辛格浩)会長とともにロッテ本社を訪れ、武雄氏以外のロッテHDの全取締役の解任を発表した。解任は株主総会の決議事項であり、まったく有効なやり方ではない。

これを受けて、ロッテHDは取締役会を開き、宏之氏による解任通告は無効であることを確認。また、武雄氏が持つ代表権を外す人事を発表した。一方、韓国ロッテ側も「本事案は日本のロッテHDの取締役会の独立した議決事項。韓国での事業とは直接的な関係はない」と発表した。

日韓分割の後継体制が崩れる

騒動の伏線は、日韓両国で事業を展開するロッテHDを率いる兄弟2人の後継者による分割経営にあった。

これまで日本は長男の宏之氏、韓国は二男の重光昭夫(韓国名・辛東彬)韓国ロッテグループ会長が、父親の武雄会長(韓国では総括会長)の意を受けて経営を行ってきた。それが突然、今年1月になって宏之氏が日本ロッテHDの副会長職から解任された。当時、昭夫氏は韓国の記者に対し、「父親がすることだから、よくわからない」と打ち明けたことがあるが、その理由は今でもはっきりしていない。

7月15日には、昭夫氏が日本ロッテHDの定期役員会で代表取締役に選任され、日韓ともにロッテグループの指揮に立つようになった。これで、ロッテHDの後継者問題は終わったと思っていたところに、今回の宏之氏による行動が起きた。

現在のロッテグループは、事業規模や業績面において日韓で大きく差が開いている。日本で「ロッテ」といえば、製菓メーカーやプロ野球団とのイメージが強い。だが韓国では、百貨店や量販店などの流通業、製菓、化学と多種多様な事業を展開する、同国5位の一大財閥だ。傘下の企業数は日本の37に対し、韓国は74となっている。

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