テラモーターズは、だから世界市場へ挑む

父親を乗り越えて出発点に立った

徳重 徹(とくしげ とおる) 1970年、山口県出身。九州大学工学部卒。住友海上火災保険(当時)に入社し商品企画・経営企画等に従事。退社後、米サンダーバード国際経営大学院に自費留学しMBAを取得、シリコンバレーに渡り、コア技術ベンチャーの投資・ハンズオン支援を行う。帰国後、2010年4月にテラモーターズ設立。電動バイク、電動シニアカー市場で設立から2年で販売台数4000台を達成。今年5月には、日本企業初となる電動三輪の認証をインドの公的機関より獲得した。
挫折とは辛く、できれば避けたいものです。しかし挑戦には挫折がつきもの。そして、挫折にぶち当たっても、自分の目標や夢が崩れなかったとき、人は自分自身を再認識できるのです。もしかすると、達成できたことよりも、その挫折を乗り越えようとしたプロセスこそが、その後の人生の勇気になるのかもしれません。 「挑戦者たちの朝」第3回の挑戦者はテラモーターズ社長、徳重徹さんです。

 

「ターミネーターで悪役が液体窒素で固められて撃たれて、こなごなに飛び散るシーンがあるんです。そんな感じですよ。それくらい自分のすべてが砕けて、一度は絶望の淵まで行きました。それが30歳の時です」

テラモーターズ社長、徳重徹さんの言葉です。テラモーターズは今、メーカー系ベンチャーとしてもっとも注目されている会社と言っても過言ではないでしょう。

テラモーターズの電動バイク。日本ではシェアトップを誇る

設立わずか2年で電動バイク市場で国内トップカンパニーになっただけでなく、設立5年目にして16億円もの資金を集め、ベトナムやフィリピン、インドへの進出を実現するなど、次々とアクションを進めています。

しかし、飛ぶ鳥を落とす勢いでビジネスを拡大している徳重さんも、決して順風満帆にテラモーターズを始めたわけではありません。この挑戦も、大きな挫折があってこそだったのです。

こなごなに砕け散った経験が糧になる

徳重さんが大きな挫折を味わった時の思いが冒頭の言葉です。勤めていた保険会社を辞め、絶対に受かると自信を持って受験したシリコンバレーにあるMBA試験に落ちた時の気持ちを表現したものでした。

「本当にカッコ悪かった。シリコンバレーのMBAに行く、と多くの人に宣言し、会社も辞めたわけですよ。「MBAに受かる」と自信を持っていましたから、落ちた時は周りに会わせる顔もない。そして、絶対にここで学び、仕事をするんだと決めていたシリコンバレーへの道も閉ざされてしまった。この時はさすがに絶望しました。でもそんな挫折の中で悩み、見つけたことは、やっぱりシリコンバレーで働いてみたいということ。絶望の中で見えるものは大事です。半年くらいは辛い時期が続きましたが、そこから何とかサンダーバード国際経営大学院に合格し、アメリカに渡ったのです。そこからシリコンバレーまでは車で往復10時間以上でしたけどね(笑)」

次ページアメリカに渡った徳重さんのその後
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