Jリーグチームの人件費と順位の関係は? 財務指標のランキングからクラブの経営力を読む
2011年シーズンのJリーグは24試合を消化し、残すところあと10試合。優勝争いはガンバ大阪、名古屋、横浜Fマリノス、柏の上位4チームに、序盤に苦しんだ5位鹿島が、どこまで食い込めるか、といった状況だ。
ひいきのチームに常に優勝争いに絡んでほしい、というのがファンの心理。だが、そうは言っても、有力な選手を獲得し、チームを強化するには“おカネ”が必要だ。
では、Jリーグ各チームの経営状態はどうなっているのだろうか。先ごろ公表された各クラブの2010年度の財務資料をもとに、昨10年シーズンのJ1チームを対象に、さまざまな財務指標でランキングしてみた。
まず、チーム人件費(選手人件費[報酬のほか支度金、移籍金償却費を含む]、監督・コーチ・チームスタッフ人件費[アカデミーを含む])と、昨期の年間総合順位をプロットしたのが以下の図だ(タテ軸が順位、横軸が人件費)。
昨期優勝した名古屋は、人件費では2番目に多い21.3億円。2位ガンバ大阪は同5番目、4位鹿島は同3番目、5位川崎は同6番目と、ほぼ人件費の多さに見合ったような順位に収まっている。
一方、人件費トップの浦和は10位に沈み、逆に人件費では13番目のセレッソ大阪は3位と、コストパフォーマンスの高さが際立つ。
昨期最下位に沈んだ湘南は、人件費はわずか6.5億円と浦和の3分の1以下で最少。これでは厳しい結果もやむをえないだろう。同じく降格した京都、FC東京は人件費では中位クラスに位置している。
クラブの営業収入ランキングは以下の通り。企業でいえば売上高に相当し、フローの規模を表す。熱狂的なサポーターの存在で知られる浦和が断トツ首位。上位には大都市圏にあって大きなスポンサーがついたクラブが並ぶ。
営業収入のうち、入場料収入でランキングしたものが以下。営業収入は大きく、広告、入場料、Jリーグ分配金、その他に分けられる。入場料収入は、クラブ経営の基盤となる観客をいかに多く集めたかを見るための最も重要な指標と言える。こちらはさらに浦和がぶっちぎりの首位だ。仙台や新潟といった地方クラブの健闘も光っている。
入場料比率ランキングは、営業収入に占める入場料収入の割合。特定のスポンサーの動向に左右されないためにも、ある程度は高いほうが望ましいと言えるだろう。