「熱い風呂で疲れが取れる」という通説のウソ

「間違いだらけの健康常識」を名医が明かす

だが、これも正しく利用しないと、かえって体に疲労を蓄積させてしまうのだとか。あくまで短時間なら血行が改善するが、「5分以上だとアウト」(梶本教授)。さらに、よくやりがちなサウナと水風呂を交互に入る行為も、エネルギーをかなり消費し、体に負担をかけてしまう。

ちなみに、疲労回復に効果的なのはマッサージ。血流をよくし、リンパ流も改善させるので老廃物を外に出せる。長時間のサウナや熱いお風呂と違って、マッサージは体に負担をかけずに血流を改善できる。

ウナギのスタミナ増強効果がなくなった?

食べ物によってスタミナをつけようという健康法も、いくつかの通説がある。たとえば、江戸時代から庶民に愛されてきたウナギの蒲焼き。古くからスタミナ増強効果があると言われている。だが、実は食べてもそんな効果は期待できないという。

正しくは「期待できなくなった」。江戸時代にはビタミンB1の不足で起こる「脚気」という病気がはやっていた。対してウナギにはビタミンB1が含まれており、江戸時代だとウナギを食べることが疲労回復やスタミナ増強に効果が期待できた。

ところが、現代の食生活の質は飛躍的に上昇。日本人の中でビタミンB1が極端に不足することはほとんどなくなったため、ウナギを食べてもほとんど目立った効果は見込めないというカラクリである。

ウナギと同様に、焼き肉やステーキなどの牛肉もスタミナがつくイメージがあるが、これも誤解。むしろ、ウナギや牛肉のように脂質が多いものは胃に負担がかかるので、食べ過ぎてしまうと、逆に体が疲れてしまう。

疲労回復物質である「イミダペプチド」を多く含む鶏の胸肉を使ったから揚げ(写真:ささざわ/PIXTA)

食べ物に疲労回復を期待するのは無理なのか。そうでもない。たとえば、家庭やコンビニ、外食店でも定番の「鶏のから揚げ(もも肉ではなく、胸肉!)」にはその効果が見込めるという。鶏の胸肉には「イミダペプチド」という成分が含まれている。マグロやカツオなど、回遊魚の尾付近にも含まれているものの、その含有量は鶏の胸肉がダントツだという。

このほか、お茶に含まれるカテキンにも抗酸化作用があり、疲労の原因である活性酸素の発生を抑えてくれる。しかし、これは効果が30分程度しか持続しないため、1日に少しずつ何回も飲み続けるのがポイントになる。

最後に、今すぐにでもできる「疲れない健康法」を梶本教授に伺った。夏にオススメなのは、サングラスをかけること。目から紫外線が入ると、体内で疲労の原因となる活性酸素が発生する。対してサングラスは目から入る紫外線の量を減らせる。外で競技を行うゴルフや、ビーチバレーなどのスポーツ選手、ランナーなどに効果的だ。

夏バテなどが気になるこれからの季節。暑さで疲労がたまりやすい時期だからこそ、正しい疲労回復方法を理解しておきたい。

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