東大生解説、米「221年ぶりセミ大量発生」驚く真相 1兆匹との予測も!「素数」で読み解くメカニズム

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12年周期のセミと14年周期のセミは、12と14の最小公倍数である84年に1度周期が被ります。ましてや、12年周期と18年周期であれば36年に1度、つまり出現する3回に1回は被ることになるのです。

これに比べて、17年周期のセミは、12年周期のセミと204年に1度しか羽化のタイミングが被りません。18年周期のセミとはなんと306年も被らないのです。

このように計算してみると、他の種のセミに邪魔されずに生きられるのが一目瞭然でしょう。

さまざまな研究が行われている素数

「素数」は多くの数学者が注目する分野であり、さまざまな研究が行われています。

有名なもので、「ゴールドバッハ予想」という法則があります。これは、「4以上の偶数はすべて、2つの素数の足し算で表せる」という法則です。この法則は、数学者クリスティアン・ゴールドバッハによって300年ほど前に提唱されたものですが、いまだにこの予想は証明されていません。素数についての研究は、まだ続けられているのです。

このように、数学マニアのもののように見える「素数」ですが、今回紹介したセミの例のように、実はこんな身近なところにもその仕組みが活用されています。

永田 耕作 現役東大生・ドラゴン桜チャンネル塾長

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ながた こうさく / Kosaku Nagata

現役東大生。2001年生まれ。 公立高校から学習塾に入らずに東大へ現役合格。中学・高校は野球部に所属し、部活動と勉強を並行し 「練習で自分の苦手を潰して、試合で自分の力を最大限に発揮する準備をする」という努力の「型」を勉強にも活かして受験勉強を乗り切る。現在は株式会社カルペ・ディエムの教育事業部に所属し、全国の学校や自治体で講演会を実施しながら、まとめた知見を記事や書籍など紹介している。https://twitter.com/NagataKosaku08

 

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