東大生解説、米「221年ぶりセミ大量発生」驚く真相 1兆匹との予測も!「素数」で読み解くメカニズム

✎ 1〜 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 9
拡大
縮小

「1803年から2024年までの間に、何回ほかの他の周期ゼミと羽化のタイミングが被ったか」を数えてみました。

12年周期:17回
13年周期:4回
14年周期:6回
15年周期:7回
16年周期:7回
17年周期:1回
18年周期:10回

12年周期のセミは221年間で17回もあるのに対し、17年周期のセミはたったの1回です。13年周期のセミも4回と、他の周期ゼミよりもその値が小さいことがわかります。

冒頭でも記したとおり、周期ゼミは集団で仲間を作っています。つまり、別の集団と同時に地上に現れると、お互いを攻撃し合い、片方が絶滅したり、はたまた両方とも絶滅したりしてしまうことがあるのです。

ゆえに、他の周期ゼミと羽化のタイミングがあまり被らない13年周期と17年周期の2種類のセミが、現代まで絶滅せずに残っているのです。

13と17の共通点は「素数」

では、なぜ「13」と「17」なのか。その理由は、12~18の中で「素数」である数字がこの2つだけであるからです。

素数の定義は、「1とその数以外の約数を持たない」ことです。小さい順に並べると、「2、3、5、7、11、13、17……」となります。

例えば、12は2でも3でも4でも6でも割り切ることができますが、13はこのどの数字で割っても余りが出てしまいます。この「約数を持たない」という性質が、周期ゼミの生き残りにつながっているのです。

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT