「5浪京大」彼女の合格導いた"80歳恩師"との別れ 予備校を転々としていた彼女、恩師の教えとは

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「実は阪大に行く前から、予備校に通うかどうかをすごく迷っていたんです。実際に大学に行ってみると、入学式で友達ができましたし、遊ぶ約束をしたり、サークルの勧誘をしてもらったりして、とても楽しそうだなと感じました。

でも、ここに通い始めたら、満足しちゃうだろうなという気持ちが芽生えて……。今まで何がなんでも京大に行くと決めて頑張ってきた気持ちもあったのに、こんなに簡単に崩れるようなものだったのか……と思ってしまったんです。

第1志望を目指していた気持ちを引きずりながら、中途半端に大学に通うよりは、スパッと(誘惑を)断ち切るほうがいいと思って、籍だけ置いて予備校に通う決断をしました」

この年も、前年の駿台での生活と同じように、朝から晩まで勉強していたにこにこさん。

模試ではたまに京大でD判定が出るようになったそうですが、相変わらず数学が足を引っ張り、成績が大きく上がることはありませんでした。センター試験は82%と上がったものの、京大には手が届きませんでした。

ためらいなく3浪を決意したにこにこさん。「後に引けなくなった」と語る彼女は、予備校を、なんばにある代ゼミのビデオコースに変えて試行錯誤をしますが、なかなか結果につながらず、精神的に追い詰められていきます。

「親は『またか……』という感じでしたが、特に何も言ってこなかったのでありがたかったです。このころから1日中誰とも話さないことが増えて、外に出るのも嫌になりました。体重も高校のときから20キロ増えてしまいました……。『なんでこんなに頑張っているのに、成果が出ないんだろう』と思って、思い切って自分に合わない授業を受けない選択もしてみたのですが、結局この年もダメでした」

4浪目で通い始めた予備校で運命の出会い

3浪目もセンター試験で84%を記録したものの、またしても京大の合格は掴めませんでした。

4浪目に突入したにこにこさんは、悩んだ末に、この年は医学部専門の予備校に通うことに決めます。

「多浪生も多く通っている予備校のほうがいいかなと思って選びました。勉強で頭打ちになって困っている人が、なぜ成績が上がらないのかがわかる先生がいるのではないか、と思ったんです」

すると、にこにこさんは、この予備校で運命の出会いを果たします。

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