イランのイスラエル攻撃は「中東戦争」へ発展も 自民党の小野寺元防衛相が危機感を示す

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梅津キャスター:まさに中東情勢に詳しい元外交官の宮家邦彦氏にもこの一報を受けて話を聞いたが、「今回のイランによる攻撃は限定的なものである可能性が高い」と指摘している。というのも、イランは意図的に情報を流して、アメリカ軍やイスラエル軍に迎撃をさせているんだと。イスラエル対ハマスの戦争の本質は、アメリカ対イランの代理戦争と言われているが、イランはアメリカと直接対峙することには慎重。ただ、大使館を攻撃されたことで国内の反発が抑えきれなくなり限定的な攻撃に踏み切った、という分析を宮家氏はしている。ただし、「万が一イランが判断ミスをして大規模な攻撃に踏み切って大きな被害が出るなどした場合は、局面が大きく変わる可能性もある」という分析をしていた。

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(写真:FNNプライムオンライン)

橋下徹(番組コメンテーター、弁護士、元大阪府知事):こういう事態になったら正義を振りかざして、正義と正義がぶつかり合うっていうところは止めなきゃいけないと思う。それは政治がやるべきことであって、これはお互いのメンツを立てながら、お互いに妥協する、妥結するということしか収まりがないと思う。やっぱり我々日本は、西側グループではあるが、イスラエルの大使館を攻撃したというね。どんな理由があっても、それはやっちゃいけないと思う。世界各国にいろんな大使館がある。で、そこを情報収集機関として使う、軍事的な拠点に使っていることはみんなわかっていながら、その大使館を攻撃しないという建前で国際社会が成り立っている中で、いかなる理由があっても大使館攻撃は、絶対ダメなこと。

最後は政治家で妥結を

松山キャスター:(4月1日に)今回はシリアにあるイラン大使館が空爆された。

橋下氏:どこの大使館でもそれは、やってはダメだと思う。だから、それをしっかり西側社会がイスラエルに言いながら、最後は政治家で妥結をしてもらいたい。ここで正義を振りかざすようなことは、やってほしくない。

小野寺氏:ここで本当に中東の戦争が始まった場合には、日本も大きな経済的な影響が出るし、もう一つは、世界の目がまた中東に行くと、私どもが議論している東アジアの安定の問題というのは“力の空白”になってしまう。そこにまた紛争が起きる可能性が出てくるので、早くこれを収めていくことは日本の国益にとってもとても重要なことだ。

玄葉氏:(これまでのところ)イランもかなり抑えていると思う。また、抑えていくとも思う。

松山キャスター:(イランは)ただ、国内事情を考えると、何らかの報復はせざるを得なかったと。

玄葉氏:(それにより)誤解が生じないようにしなきゃいけないということだ。

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