ゴルフ界のジェンダーギャップは埋められるか 女性ゴルファーの半数近くが「理不尽」を経験

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具体的なコメントを拾うと「女性用トイレが少ない」や、「ロッカールームや浴室が男性よりも貧弱」など施設面についての不満がある。

施設面は改善していけるだろうが、女性ゴルファーに対する偏見は一朝一夕に解決しない。

実際、コメントを見ると、コンパニオンやキャディのように扱われた、という人や、「女性のくせに」や「ゴルフをする余裕がある生活をしている」といった嫌味を言われた人もいた。指導してあげる、と近寄ってくる「教え魔」の存在に嫌気をさす人もいる。

また「前が詰まっているのに、後ろの組から遅いと怒鳴られた」といったコメントからも、女性であるがゆえの理不尽さが感じられる。

逆に「『女性だから』いう理由でいい思いをしたことはありますか?」という設問では、「レディスデーや特典でお得」が169人で最も多かった。

「ジェンダーフリー」が問われている

「今後ゴルフ業界やゴルファーの考え方で『こんな風に変わったらいいのに』と思うことはありますか?」という設問で、最も多かったのは「気軽さに関して」の63人。

具体的なコメントとしては、「スループレーのゴルフ場が増えるとうれしい」「気軽な2バッグス制」「ゴルフをしたいけど環境や仲間がなかったりするので1人でもできるぐらいのラフな環境になれば」「カジュアルに行けるコースを増やしてほしい」などがあった。

スループレーは昼食休憩なしで一気に1ラウンドすること、2バッグスというのは1組2人で回ることをいう。

興味深かったのは、「女性として」という視点でのコメントだ。

「プレーについて女性だからと手を差し伸べられるのを、女性は決して望んでいない」「(男性は)上から目線で接するのを自覚してやめてほしい」など、「女性ゴルファーとしてではなく、同じゴルファーとして考えてほしい」という声が強いのだ。

また「女性が入会できない名門クラブもある」「いまだに男性中心の社交場と考えている点が今の流れに逆行している」といった指摘もあった。

一方で「女性自身も女性だからと甘えることなくゴルフをスポーツとして真剣に取り組んでほしい」という声もあり、真の意味でのジェンダーフリーが問われている。

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