東大生が伝授「クロスワード」頭良くなる遊び方 言葉のつながりを意識して、語彙力を高める

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例えば「精神のこと」なら、精神を意味するカタカナ語はなんだろう、と考えてみて、「スピリット」「マインド」「ソウル」とたくさん書いていきます。

1つの答えを出す前に、複数の答えを考えてみるのです。そうやって複数個の答えを想像しながら、クロスワードを解いていきます。こうすることで、1つの言葉に対するいろんな解釈を考えることができます。

語彙力は、1対1で対応して覚えていくものではなく、つながっていくものです。「同じ意味の言葉」として頭の中で整理しておく必要があります。

そのほかにも、「何かを考えること」は、「想像」「夢想」「空想」「妄想」というように、たくさんの答えが考えられます。頭の中で、それらの言葉は一緒のカテゴリーとして整理したほうが、覚えやすくなるのです。

だからこそ、「この問題の答えは、これかな? これも考えられるな? どれが正解かな?」というふうに考えていくと、頭がよくなっていくというわけですね。

多くの人は、「語彙力のある人」と聞くと、多くの言葉を覚えている人を想像すると思います。そのため「記憶力が悪いから、語彙力がない」なんて嘆く人もいますよね。

言葉のつながりを理解しているかを問う

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しかし、実際はそうではありません。「いかに言葉のつながりを理解しているか」という理解力を問う問題なのです。

例えば、「素晴らしいこと」を指す言葉を、みなさんはいくつ想像できるでしょうか?

「空前絶後」とか「唯一無二」などですね。そして、「唯一無二」は、ほかにないことを指す言葉ですから、「ほかに例がない」→「類い稀」と言い換えたりもできます。

また、「空前絶後」というのは「前がなくて、後に続くものも絶えている」と書きますから、「前代未聞」というのも連想できますよね。そしてこれらすべてが、「素晴らしいこと」を指します。

「語彙力があって頭がいい」というのは、「空前絶後」「唯一無二」「類い稀」「前代未聞」が、つながっていることをしっかりと理解している人のことだと思います。たくさんの言葉が頭の中でしっかりとつながっているからこそ、言葉を上手く扱えるわけです。

クロスワードで遊びながら「これってこの言葉かな? こっちでもいいよな?」と考えることは、複数個の言葉のつながりを意識して、理解することにつながるのです。ぜひ、語彙力を高める教材として、クロスワードを使ってみてもらえればと思います。

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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